かぐや姫の意地
久しぶりに5キロバイトも書いたなあ(汗
8割過去終了
最近書く暇ができて嬉しいです。
「フハハ。またやっちまったぜ」
「何でそんなに強いのよ……」
モンハ○も、今日のところは飽きたので、次は対戦でもすることにした。
といっても、6○の「実況!パワ○ルプロ野球」という、またもや八雲紫から貰ったものだが。
因みにくれた理由は「あなた暇でしょ?」だった。
「ゲームは得意なんだよ」
「だからって、20-3はないでしょ」
「うーん。能力上仕方ないからなあ」
「え?あなた能力持ってるの?」
確かに幻想郷には、能力を持った者が沢山いる。
私もその中の一人で、「永遠と須臾を操る程度の能力」を持っている。使う事はあまりないが。
「まあ、能力の一つでも持ってないと、妖怪と付き合っていけないだろうしな」
「確かに。それは言えるわね。で?何の能力持ってるの?」
「楽を操る程度の能力」
「……結構チートじゃない?」
「そうでもない。俺自身の力が弱いからな。大妖怪が持ってたら、チートどころじゃないだろうが」
「それが、どうしてゲームと関係あるのよ」
「楽しいことしてると、無意識に発動する」
「つまり生半可な実力じゃ、ゲームでは勝てないわけね」
「または、俺がつまらないと思ってるゲームを無理矢理させるかだな」
勝てなかったのは悔しかったが、能力があったのなら、仕方ないとも思う。
だからといって、私も長くゲームをしてきた。ここで簡単には負けれない。
「じゃあ……これよ!」
「格ゲーだと……」
「私が今までで、最も極めたゲームよ!その私に勝てるかしら?」
ででん!
と、左手を腰にあて、右手のゲームを前に突き出し、胸をはる。
「(ふ。ここから勝負は始まっているのよ。ここでプレッシャーを与えておく事によって、少しでも自分のプレイをさせなければ……)」
「何で勝てないのよおおお!」
「いや。大技多用し過ぎな」
「CPには勝てるわよ!」
「CPにしか通じねえよ!」
まさか、ここで友達がいないのが、響くなんて思わなかったわ……あ。ちょっと悲しくなってきたかも。
「姫様。楽冶さん。お風呂が空きましたよ」
「分かった」
「分かったわ」
鈴仙に、部屋の外から言われ時刻をみると、いつもお風呂に入る時間より遅かった。
ここはゲームを一時中断して、お風呂に入ってリラックスしよう。
「じゃあ。私はお風呂に入ってくるわ」
立ち上がって、お風呂に向かおうとする。
くいっ。と袖を引っ張られた。
「何?」
「ひっじょーに言いにくいんだが……」
「何よ。ハッキリ言いなさいな」
「一緒に風呂入ってくんね?」
「は?」
まさかの衝撃発言だった。
「え?は?いや。何で?」
「……右手」
「あ」
そういえばそうだった。
今までゲームに熱中してたので、忘れていたが、楽冶は右手が折れてるんだっけ。
確かに、指先を動かすぐらいならできるけれど、水は厳禁なので、一人でお風呂は難しいだろう。
「ええ……でも」
「いや。嫌なら別にいいんだ。他の奴に頼むから」
「う……」
他の奴……永琳とか鈴仙とかてゐの事よね。
何故か分からないけれど、何となく、あまりいい気分ではなかった。
「いや。いいわ。私が入ってあげるわよ」
「マジ?いいのか?」
「あなたが頼んだんじゃないの」
「ダメ元だったからな」
「失礼ね。怪我人には優しいのよ」
「つまり、俺が怪我してなかったら、優しくないのか」
「当たり前でしょ」
「…………」
「何?」
急に黙り込んだので、聞いてみる。
「いや……相変わらず、姫様っぽくないなと」
「ううううう。うるさい!」
聞かなければよかった。
「じゃあ。背中洗うわね」
「おう。頼む」
タオルを使って、楽冶の背中を洗う。
「このくらいでいい?」
「おお。気持ちいいぞ」
それからは、お互い無言だった。
そういえば、さっき何を言われてたかしら?と。思い出してみる。確か「姫様っぽくない」だったかしら。
長年たっても、私はあの「かぐや姫」の姫。悔しくない訳がない。
という訳で、少し挑発(誘惑)してみることにした。
「前もするわね」
「それはありがたいが、下はいいからな?」
「分かってるわよ」
少し顔が赤くなるが、この回答は予想範囲内。
私は後ろから、脇の下に手を通し、前を洗い始めた。
「……輝夜」
「何?どうしたの?」
「その洗い方……難しくないか?」
「……別に」
何というか、予想外というか、微妙な答えが返ってきた。
満足のいく答えではなかったので、少々不機嫌になるのが、自分でも分かる。
私は何故か、悔しかったのか、嫌だったのか、変な手段にでた。
「あのさ輝夜」
「何?」
「何で身体くっつけんの?」
「下が洗えないじゃないの」
「下は洗わなくいいと……」
「足よ足」
「いや……届かんだろ」
「だからこうするしかないのよ」
「いやいや。体勢おかしくないか?」
「何?まさか恥ずかしいの?」
ニヤニヤしながら話しかける。
やはり、私の顔は赤いだろうが気にしない。
「いや。美鈴との方が恥ずかしかったなあ。胸当たってたし」
「は?」
一瞬にして、顔から赤みが引いていく。
「美鈴だよ美鈴。知らないのか?」
「あの。紅い館の、中国っぽい服装の奴?」
「そうそう」
「三回くらい見た事あるわ」
私は、楽冶の首に、二の腕を持っていく。
「そうか。って何す!グフッ!絞まってる絞まってる!」
「うるさい!どうせ私には胸がないわよ!」
「誰もそこまで言ってないだろ!?」
「言ってたわよ!遠まわしに言ってたわよ!あんたって女心分かんないの!?」
「言ってねえよ!大体男が女心全部理解できるか!あと、恥ずかしいから早く離れろ!おおう!?」
パッ。と楽冶の首から手を離す。
「おま……いきなり離すなよ。浮いてたんだぞ?俺」
「……かったの?」
「え?」
「……恥ずかしかったの?」
「え。そりゃまあ。女性と風呂入ってたら恥ずかしいわな」
「そ、そう……とりあえず背中流すから。前向いて」
「お?おお」
前を向いた、楽冶の背中を流してやる。
真っ赤になった顔が分からないように。
背中に顔を隠しながら。
おい。楽冶。そろそろ気付こうぜ(他人事




