昔の話を少ししましょう
紅魔郷EXクリアしたよ!
てるよことニートの過去話いきましょう
・・・あれ?違う?
「うう……寝不足だわ」
楽冶をトイレに連れて行ってから、他の住民達に、泣き声が聞こえてないか心配だった輝夜は、あまり寝れなかった。
「輝夜お姉ちゃん大丈夫ー?」
「勿論大丈夫よ」
実際眠たいのだが、楽冶の前では、心配させまいと強がってみる。
だが楽冶が前を向くと、瞼が落ちてくるので、中々危ないと言えよう。
居間に着くと、いつもの場所に座る。
いつものように座ったのだが、いつもはテーブルに置かれている、湯気の立ち上る朝食が無い。
それもそのはず。楽冶はトイレから帰ってきた後にぐっすりと寝て、いつも輝夜が起こされる時間より、早く起きたのである。
「あれ?……姫様が起きてる!?」
楽冶を、輝夜に取られたのを知り、落ち込みつつも朝食を運んできた鈴仙が、驚きの声をあげる。
「……何?起きてたら悪いの?」
「いやいやいや!それより皆を呼んできますね!」
輝夜の機嫌が(寝不足により)あまりよろしくないのが分かった鈴仙は、他の住民を起こしに行った。
多分、できるだけ遅く帰ってくるだろうが。
「楽冶。ダメよ」
「あう」
こっそりと、料理に手を伸ばしていた楽冶を、引き寄せる。
胸の中に、すっぽりと楽冶を入れた。
今日はとてもいい天気で、二人を容赦なく眠りへと誘う。
「んー」
ぽかぽかする春の陽気に誘われ、二人はさっそく二度寝するのであった。
ここ。幻想郷に来てから何年経ったのだろう。
私は不老不死である為、今まで過ごしてきた時は長いし、これから生きていく時も長い。
そんな私には、あまり時間の感覚が無い。何故なら、数えていても仕方が無いからだ。
一定の所に留まっている時間だけを考えると、滞在時間は、今まで生きてきた中でかなり長いだろう。
それでも、この時間も一瞬と感じる程、長く生きるとなると、年なんてどうでもよくなってくる。
てゐも、不老不死ではないが、かなり長く生きる妖怪。似たような事を言っていた。
前までは表にでなかったが、あの異変が終わってから、ここに来る客が増えた……もちろん患者だが。
今までは入院患者というものは存在しなかった。
だが今日。初めて入院する者がいるらしい。
それが男だと聞いて、あまりいい気分ではなかった。
少し前……と言っても千年程前だろうか。幻想郷ではなく、普通の世界にいた時の話である。
自慢ではないが、私に求婚を求めてくる者がいた。
それも、少しではなく、相当な量である。私は結婚したくなかったので、基本は適当に断っていた。
それで、諦める者は諦めるし、諦めない者は食い下がる。
結婚をしない理由は、不老不死である事。そして、求婚者達……男達は、私の性格や人柄等を含めたものではなく、体が目当てだったから。
一度、外が騒がしいので、部屋を出てみたら、屋敷に侵入していた男がいたりもした。
その時、男と目が合ってしまったが、その時の目は忘れない。一言で表すと 汚らわしい 目であった。
そんな私は、別に患者と仲良くするつもりはなかったし、さっさと帰れと思っていた。
「ねえ永琳」
「何ですか?」
「夕食。一緒にとらないと駄目?」
「まだそんな事言うの?男性に慣れるいい機会でしょ?」
先ほど鈴仙から、夕食に呼ばれたが、私がでてくる気がないと判断したのか、永琳がきた。
永琳に部屋から連れ出され、仕方なしに居間へと歩く。
「だって……」
「大丈夫よ。あの人は……フフッ」
「?」
永琳が笑ったので、疑問符を浮かべる。
「あの人は何というか、輝夜が思ってるような人じゃないわよ。安心していいわ」
「永琳がそこまで言うのなら、そうなんだろうけど……」
それでも、嫌であることには変わりない。
話している内に、居間の前へと着く。
心の準備をしようと思ったが、永琳は躊躇なく襖を開けた……もう少し従者として、私を気遣ってくれないだろうか……
中に入ると左から、鈴仙。てゐ。そして男……確か名は楽冶と言ったか。が座っている。
楽冶の左側に永琳が座り、私はその隣に座る。
真横ではなかったので、ホッとするが、何気に近い。
求婚者の時は、基本仕切りがあったので、今までで一番近いかもしれない距離である。
「ん?お前が輝夜か?」
「ええ」
いきなり呼び捨てのタメ口だったが、怒る気はせず、短い言葉を返しておく。あまり関わりたくないから。
「待たせたわね。それじゃ食べましょうか」
そして、私にとって気まずい夕食は始まった。
輝夜!輝夜!輝夜!輝夜!輝夜!輝夜!輝夜!輝夜!輝夜!輝夜!輝夜!輝夜!輝夜!輝夜!輝夜!輝夜!輝夜!輝夜!輝夜!輝夜!




