昔から姫はワガママと決まっています
久しぶりの15時台投稿
というか投稿間隔を短くしたいな・・・
先ほど、楽冶を抱っこしていた女性とは違う女性が、楽冶とお風呂に入っていた。
「ほ~ら……本当にぐっすり寝てるわね……」
長い黒髪がよく似合うその女性は、蓬莱山輝夜。
お風呂に入ろうと思い、脱衣所に入ったところ、鈴仙が倒れていて、その上に楽冶がいる状態だった。
鈴仙は気絶しているようだったので、こっそり楽冶を頂いたのである。
というか、それは奪うというのではないか?
「いいのよ。私。姫だし」
さいですか。楽冶といい作者に話しかけてくる人物が多い。
多分話す相手がいないのだろう。
閑話休題
楽冶は起きないままだったが、自分の身体も洗い終え、入浴も、楽冶がのぼせると悪いので少し早めに済ませる。
脱衣所で身体を拭き、服を着せようとすると
「あら?楽冶の服ないじゃない」
なんと。鈴仙は楽冶の服を、忘れていたようだった。
鈴仙を怒鳴ってやろうかと思ったが、楽冶が湯冷めしては困るので、サッと自分の服を着て、楽冶をできるだけ冷えないように抱っこして、脱衣所から出る。
視界の端に、まだ兎耳が見えたがスルーをした。中々非情である……仕方ないのかもしれないが。
「さあ。寝ましょ寝ましょ」
いつもなら、今からゲームタイムだが、楽冶が寝ているので、一緒に寝る事にする。
音楽はヘッドフォンを使えばいいが、キーボードやコントローラの音も、寝てるときには割とうるさい。
それが分かっている輝夜の、ちょっとした気遣いである。まあ、この楽冶にしかしないであろうが。
「輝夜お姉ちゃん起きて」
「zzz」
「お姉ちゃん」
「zzz」
「てるよお姉ちゃん!」
「誰がよ!」
中々起きなかった輝夜が、ガバッと起き上がる。
「何で てるよ って言うのよ!」
「え、えと……何故か頭に浮かんできて……」
「あ、あいつ……」
どれほど大きい楽冶が、てるよ でバカにしてたのか分かる発言である。
それでも目の前の楽冶ではなく、あいつ。と言ったのは流石といったところか。
「いい?私のことは 輝夜お姉ちゃん と呼ぶのよ?」
「てるよお姉ちゃん?」
「作者の変換で言わないで……輝夜お姉ちゃん」
「輝夜お姉ちゃん」
「よろしい。それで?どうしたの?」
しっかりと覚えさせたところで、起こされた理由を聞く。
それにしても、てゐといい輝夜といい。名前を間違えるのがデフォなのだろうか。てゐは確かに分かりにくいが。
「えとね……おしっこ」
「……え?」
「おしっこ……怖い。から、一緒に……」
小さい子特有ともいえるこの現象。
料理スキルは発達するのに、何故ここは子どものままなのだろうか。
とまあ、輝夜も納得したようで「ああ」と言うと。
「一人で行きなさい」
楽冶にとっては、無情とも言える言葉を放った。
「どうして!?」
「男の子でしょ?そのくらい行きなさい」
「でも……」
「でもじゃない!」
少し大きい声で言う、厳しい輝夜。
だが小さい子に、大きい声でいきなり言うのはタブーである。
楽冶も例外ではなかったようで
「……う。う」
「?」
「ふええ~ん」
「!?」
泣き出してしまった。
ここで焦ったのは輝夜である。
純粋に楽冶を泣かせてしまったのもあるし、もしこの声を、他の住民達が聞きつけてきたら……と思うと当然であろう。
「輝夜お姉ちゃんと。グズッ。一緒がいい」
「分かった!分かったから!一緒に行きましょう?だから泣き止んで?」
「……うん」
輝夜は、これ以上楽冶が泣かない様。抱っこをしてトイレへと行くのだった。
「子育てって難しいわ……」
次回は輝夜過去話にしたいな。
そしてどっかに外伝を・・・




