三話
「それ、どーしたの?」
私の目線の先にはの重ねた瓦。枚数は九枚。しかも本物。
そして、瓦の前にいるのは『アメリカ独立戦争』
「、、、何してるの?」
隣にいた『ボストン茶会事件』(ボストンくん)に耳打ちで尋ねる。
「昨日、南蛮とテレビ見てたらしくて、それで瓦割りっていうやつが流れて、、、」
「あー、、、」
つまり、テレビで瓦割りしていたのを見て、自分もやりたくなったのか。
「あのね、独立くん。夢を壊すようで悪いんだけど、瓦割りの瓦はパフォーマンス用に割りやすくなっているんだよ。本物の瓦でやっても、、、」
アワアワしながら必死に説明する南蛮貿易こと、なっちゃん。
「よーし、いくぞー!」
「おい、危ねぇ!」
そして、なっちゃんの言葉を聞かない独立くん。
バコーン。
九枚の瓦を片手で割ってしまった独立くん。
(嘘でしょ、、、!?)
瓦は真っ二つに割れている。
「お、俺にもやらせてくれ!」
キラキラした目で見るのは三月革命くん。
「えー、君に出来るのかい?」
「出来る!オーストリアの力を舐めるなよ」
「なぁ南蛮も一緒にやろうよ!」
「後で片付けないといけないから、やりたくない」
「えーなんだよ。ブシドー見たいんだぞ」
「ほら、独立みたいに野蛮じゃないから。腕だって細いんだから、、、」
「確かに割れなさそう」
独立くんと三月革命くんが笑っている。ゆらりとなっちゃんが十枚の瓦の前に立つ。
「、、、え」
ガッ。
無言で片手で割るなっちゃん。
「瓦割りは終了だよ、片付けるから独立くんと三月くんは手伝ってね」
「「、、、ハイ」」
震えながら返事をする二人。
「な、なっちゃん?」
怖い笑みを浮かべるなっちゃんに駆け寄る。
「お、落ち着いて!?ほら、なっちゃんの好きなしるこサンドだよ」
鞄からしるこサンドを取り出してなっちゃんに手渡す。
「大人げないとこ見せちゃった、、、」
「大丈夫、百年戦争の方が大人げないから!」
「うーん、、、。フォローになってないよ」
その後、校内で『南蛮貿易をキレさせたら怖い』という噂が流れた。