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日常の1コマ *2

すこしずつ投稿にも慣れてきたので今日中に前哨戦は終わりにしよう。

 プレイヤーの頭上には旗とギルド名が書かれており、自分の所属するギルドが一目でわかるようになっているのだが、大きくわけて5つのギルドでこの群衆は形成されているらしい。

 つまりは、5つのギルドがこの支部に殴り込みに来ている状況だろう。


 一人で抗議しに来る勇気もないのかこいつらは。なんて思ってしまっても仕方がないことだと思う。

 受付にいるナツさんだって笑顔が破綻し始めてるし……。よく見たら筋浮かびそうだよ? あのお兄さん。


「どうする? ファータ」


 盾を出現させた砂糖くんが聞いてくる。


 どうするも何ももう武装してるじゃん。殺りに行く気マンマンじゃん。

おい。チャージくん。何レイピア抜刀してるの。まだ何も指示してないよ? 僕。


「何言ったって君たちは殴りに行くでしょ……。逃がしたくないから罠仕掛けてくるね」


 自分の出せる最大速度でギルドをぐるっと囲む大幅なトラップを仕掛けていく。敷地の隅に魔法陣をセットし、発動させると見えない壁があたりを囲う。

 これで誰もこのエリアからは出られないだろう。


 そっちが先に攻めてきたんだし、全員捕まってデスペナルティを与えられたって仕方ないことだよね?


「仕掛け終わったよ」


 2人のもとへ戻ると、準備運動をしたりして戦闘準備が完全に整っていた。


「隠密」


 僕たち3人にスキルをかける。このスキルは人とぶつかるか、解除する・されるなどがない限り相手に存在を知覚させないスキルだ。

 ものの見事に誰も気づかず、人の合間をすり抜けてギルドのドアまで近づくとフードを深くかぶりギルドへ入る。


「何をしているの? 殴り込み?」

「ファータ君、なんで来ちゃったの!?」


 「隠密」のスキルを解いて話しかけるとナツさんが焦りだした。

 あ、この殴り込みってナツさんが報告してきたわけじゃないんだね。


「おい。ボウズ。今は大人の話をしているんだ。引っ込んどけ」

「大人の話? 僕には殴りこみに来ているようにしか見えないのだけど?」

「あぁ!? ゴタゴタ言ってんじゃねえぞクソガキが! おいそこのてめぇもだ! 『ルシファ』のギルドマスターを出せって言ってんだよ!!」

「マスターに言いがかりつけようとしてる奴に会わせるわけにはいかないって言ってるだろ!? さっきから!」


 ナツさんが声を荒げる。えぇこれ僕狙いなの? いつものパターンですか……。


 僕のギルドの名前は『明けの明星』といって、『ルシファ』なんて呼称されることもある。

 構成員などの役職が不透明なギルドとして有名なんだよね。まぁ有名な理由はもう一つあるんだけど。


 MMOニュースとか掲示板なんかでも『明けの明星』の考察はよくされてて、特に有力な情報でこちらとしても賞賛を送りたいのがヴァロン重鎮説。まぁ幹部だし当たってるよね。

 なんでも、色んな意味で有名人なヴァロンさんは色んなところで問題をおこしてるくせに破門されてないから、ギルドマスターと近い立場にあると推測されているらしい。


 現実逃避をしかけた頭を元に戻して、まだギャアギャアわめいているおっさんたちのほうへ歩み寄った。


「へぇ? 僕に用があったんだ。それならそうって言ってよ。ナツさんも連絡してくれればよかったのに」

「ファータ君!?」


 ナツさんが悲鳴じみた声を上げる。


 別に隠してたわけじゃないし、フードかぶってるから顔バレてないし。いいんだけどなぁ。


「ボウズがギルドマスターなのか?」


 リーダー格らしきおっさんに問われ頷く。



 すると、ギルド内で大爆笑が起こった。女性たちも見下したようにせせら笑っている。


「そら傑作だなぁ。おい小僧、大人を馬鹿にしてると痛い目見るぞ。お前みたいなガキが極悪非道な天下の大悪党『明けの明星』を従えてるだぁ? 寝言は寝て言え」


 極悪非道ねぇ……。まぁ自由にやらせていたのは僕だけどさ。ただのはぐれものの集まりだと思うんだよなぁ。


 とりあえず両隣からの殺気がうるさい。チャージくんはまぁわかるとして、砂糖くんはどうしちゃったのさ……。砂糖くんはめったに怒らないキャラでしょ……。


「何を想像してたのか知らないけどさ、残念だけど僕がギルドマスターだよ。ほら」


 首からかけていたギルド印を見せる。するとおっさんたちは目を細めながらもやはり笑った。


「こんなガキに任せて自分は影から天下取り気分とは情けねぇやつなんだな。ギルドマスターは」


 なぜ信じない……。たしかに、人事権はギルドマスターにあるから、譲渡することは可能だけどさ。正真正銘僕たちがこのギルドを作ったんだけどなぁ。


「はぁ……。何言っても信じなさそうだね。まぁ信じる信じないはそっちの勝手だけどさ、僕に対する暴言はギルドに対する暴言だ。支部の一つにご丁寧に乗り込んできているわけだし、戦争ってことでいいんだよね?」

「フン。5対1で勝てるとでも思ってるのかな?」

「うん。勝てるよ。僕たちは『ルシファ』だからね」


 『明けの明星』。ラテン語で『ルシファー』という名はかの有名な大悪魔の名称。このギルドは確かにはぐれものが多いけど、だからこそ僕たちは確固たる意志を持ってるんだ。よく言うだろ? 意志がしっかりしてるやつは負けないってさ。


「あとで泣きつくなよクソガキ。おい! 俺たちの憎しみをぶつけてやろうぜ! この自称ギルドマスターさんによぉ!!」


 雄たけびが聞こえ、一斉に襲い掛かってくる。アジリティがん振りの僕に攻撃が当たると思ってるのかな。


 攻撃を避けながら、受付の子たちが倒れているところに向う。おびえた様子でこちらを見上げる彼らはどうやら最近加入した子たちらしい。装備を見る限りでは新人の子もいるみたいだ。


「君たちは逃げて。ここは戦場になるから」


 倒れてはいたものの、意識がある子たちに転移石を渡す。彼らは頷いて気絶している子と一緒に転移した。それを見送り屋上へと駆け上がる。



「さあ戦争だ! 己のために戦え!」


こんばんは。M@iマイです。

感想や評価が欲しいので、くれるととてもうれしいです。よろしくお願いします。


Twitterもやっているのでそちらでも絡んでくれると大変喜びます(https://twitter.com/maimai_syosetu)


ここの文章はあんまり変えないと思います。(評価欲しいので)

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