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竜の眼の魔術士  作者: 花嵐 龍子
第三章 竜國炎上 ーParis brûle-t-il?、ー
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竜國炎上11

 夜明け前、そこは荘厳な大聖堂の中であった。 


「お目覚めですか、陛下」


淡い灰の髪の男が祭壇から最前列の席に座る人物に声を掛けた。


「まだ本調子ではないようですね」


その人物は金色の髪を燃える様に流し、透き通る白い肌に瞑る真紅の眼を開いた。


「………カサットか」


灰の髪の男、カサットはその人物に跪く。


「おはようございます。陛下」


「カサットよ、余はまだ眠いぞ」


「もう朝でございます。ウォーミングアップを致しましょう」


カサットは立ち上がった。


「手始めに軽い運動を。貴方様なら国も簡単に落とせますが、まずは街から落としましょう」


「ほう?では何処を落とすのだ?」


カサットは少し考えるそぶりをした。


「うーんそうですねぇ、あっそうだオルレアンにしましょうか!」


パン!と手を叩くとカサットは外を見た。


「もうすぐ日の出です。出ましょう、ここを燃やしてしまうのはもったいない」


「うむ、そうだな」


二人は大聖堂を出てしばらく歩くと日の光が大地を照らした。


「よい天気だな」


「そうでごさいますね」


空は雲一つない秋の高い空が広がっていた。


「良いのですか、"変身"なさらくても」


「よい。今日はこのままでいようと思う」


「左様で…」


ふわっと二人が宙に浮いた。辺りに火が立ち、石畳みを少し溶かした。

「では、参ろうか。あないを頼むぞ」

「御意に」

カサットは深々と頭を下げた。

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