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竜の眼の魔術士  作者: 花嵐 龍子
第三章 竜國炎上 ーParis brûle-t-il?、ー
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竜國炎上6

 今のフランス共和国の大統領官邸はパリのエリゼ宮からディジョン中心部のブルゴーニュ大公宮へ移されていた。

 十四世紀に建てられた荘厳な宮殿内では種族入り乱れた沢山の人々が朝だというのに慌ただしく動いていた。


「大統領、失礼致します」


眼鏡をかけた若いヒューマンの女性が大統領執務室に入室するとフランス共和国大統領、マドレーヌ=マリー・ユーゴーと首相シャルル=エスプリ・ジルノルマンの二人の男が話していた。


「ボンジュール、シムール。まずは吉報から聴こうか」


シムールはシャルルに頭を下げてから手にしていた書類をマドレーヌに出した。


「フォンテーヌブローからの撤退は昨日で概ね完了致しました。損失率は兵力全体の約三割に落ち着きました」


「それは良かった。我々としては七割は超えると思っていたからな…それで、凶報は?」


「一つはナンジ、プロヴァンに上位魔族が集中し"D619線"の奪還はスケジュールに支障が出ています」


「ふむ、"オールルート5"が取れないだけに厳しい所があるな…もう一つは?」


「ルーブル最前線基地のドゥノン隊からの報告で…"太陽が目覚めた"と」


執務室に緊張が走った。


マドレーヌは自分の机をペンで突きながら大きく息を吸った。シャルルは窓の外、フランスの青空を見上げた。


「時は、来た。という事だな大統領」


「我らの故郷を取り戻す。その為の"フランス共和国第六共和政"だからな…シムール一等書記官」


「はい」


「正午にディジョンに在駐する"OF7権限"以上のリーダーを招集してくれ。何人いる?」


「ヴォルテール第一軍将軍含め、軍将軍四名、師団将軍六名です。各自警団、コミュニティーのリーダーも招集致しますか?」


「そうしてくれ。あぁその前にルクセンブルクの大使と話がしたい。アポを今すぐに」


 執務室の片隅にあるチェス台の黒のキングが人知れず倒れた。

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