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竜の眼の魔術士  作者: 花嵐 龍子
第二章 魔森巡礼 –Forest of lost prayer–
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魔森巡礼40

 巨神の足元では鑪場とマグメルが未だ戦い続けていた。


「はぁはぁはぁ…中々しぶとい!」


鑪場は"悪魔化"の形態を解いていた。


(かなり身体に支障が出ているな…)


 どれだけ鑪場が悪魔の魂の汚染に耐性があろうとも、長時間の変身は身体を蝕む。

鑪場は手に持つ"契約兵装"を見つめた。


("悪太郎"…弾丸に追尾機能と二重属性を付与する中距離型の魔銃…奴とは相性が悪い…)


目の前で数多の黒い犬を連れたマグメルがこちらを警戒している。


「我wh戦闘は目的nあらz…"星"の破滅を持つ者をh、捕縛」


「知りませんよ。星?そんなもの夜と共に消えただろうが!」


鑪場は銃を構えた。


「ようやく、追いついたよ」


鑪場の隣から声がした。見ると鑪場はフッと笑った。


「これは。今までどこで道草していたんですか?剣聖殿」


「お前、"オズ"の手下か?」


ガブリエッラは鑪場を無視してマグメルに尋ねた。


「承認」


「そうか。では、そのままでいてくれ」


 その瞬間にガブリエッラは剣で鑪場の胸を刺した。


「……は?」


「私の目的は最初からお前だ、劔 鑪場」


口から血を吐き出す鑪場は銃を落とした。


「あの"聖前会議"、今回の"作戦"、根回しに苦労した。お前、いや國友殿は用心深いから」


「な、何を…」


「陸軍がこの土地を獲るには我々に借りを作る必要がある。だがそれはお前らにとっては屈辱だろう」


ガブリエッラは剣を引き抜く。大量の血が吹き出し鑪場は膝から屈した。


「だから、こちらから餌を差し出した。ユフォ達にまんまと食らいついてくれて助かったよ」


ガブリエッラは向こうでじっとしている影を見た。


「お前はもうお行き。ここには目的のものは無い」


マグメルはコクっと頷くと黒い犬たちを自身の影にしまい、灰が散りさるようにいなくなった。


「さて、これくらいでは悪魔は死なないだろう?」


 ガブリエッラは剣に手をかざした。血の付いた刀身から薄く流水が流れ、拭い去るように血を払った。


「お前は私の夢の邪魔なんだ」


そして今度は確実に悪魔の首に剣を振り下ろした…はずだった。


 上から大きな影、"巨神"の足が二人を踏みつぶした。


 ガブリエッラは圧死する寸前に流水の膜で全身を覆い、流れるようにして足の外へ出た。

再び"十束"の形態をとり巨神の側を飛行する。


「鑪場は、仕留めきれなかったか…まぁいい。本来は國友と奴を引き離すのが目的だったからな。今頃國友は私の放った犬に噛み殺されているだろう…いや、彼の事だ身を隠した可能性もあるな。後で念を押しておこう。それより、今は」


 目の前を横切っていく"巨神"を前にガブリエッラはその巨体の胸を見た。両胸にそれぞれ一本づつ光の樹が生えていた。


「あれがこの"木人エント"を"魔の森"にまで強化させた元凶か。大した"ツリー"じゃないか」


 ガブリエッラは十に分割した剣の内、五つほどを刀身に戻した。


「さて…」


 振り上げた剣が朝日に照らされ輝く。


『天津の雷よ』


 ガブリエッラの言葉と共に天を流れる雲が次第に上空に集まり始めた。

剣を振り下ろすと雲から数多の雷が落ち、"巨神"を貫いた。

"巨神"は叫びを上げながら膝を屈した。そのまま下の兵士たちを巻き込んで倒れ込む。


『形態変化、天羽々斬、祝詞以下省略』


 ガブリエッラが浮いたまま剣は全て集約され、更に圧縮し、一つの剣のような線となった。

倒れた"巨神"の背から大蛇のように巨大な枝がガブリエッラを取り囲んだ。


『武甕槌!!』


 振り下ろされた線は"巨神"を一撃で切り裂いた。バキバキバキバキという音と共に大蛇のような枝は全て崩れ去った。


「おぉ、さすがは剣聖様だぁ!万歳!万歳!」


 生き残った兵士たちから次々と歓喜の声が上がった。

それらを見下ろすようにガブリエッラは宙に留まる。


「さて…どうしたものか…」


朝の光にガブリエッラは眼を細めた。

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