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魔森巡礼38
夜の空が陽に喰われていく。
森が消え、岩肌に崩れさったかつての文明の跡、街の瓦礫が延々と続いている。
「あれはなんだい?」
遥か彼方、"巨神"が朝日に照らされ雄叫びをあげていた。
「父さんの"命令"とはいえ、あれはちょっとキツイかな」
ついさっきまで森の端だった場所は瓦礫の山と線路だけが敷かれていた。ユフォたちが乗っていた車両がそのまま置かれその横を一人の影が歩いていた。
「これは、昔の看板?あ、標札か」
影はかつての道だった場所の側に折れかけていた標札を見た。
「P、R、E…PREMEAUX…プルモーか、じゃあD974の近くかな。こうして見るとディジョンから森って意外と近いんだ」
看板からディジョンの入り口までは数キロメートルしか離れていない。
「さてとっ、行きますか」
影は車両に立て掛けておいた赤いギターケースを背負った。




