魔森巡礼30
マサノリたちは相変わらず暗い森を歩いていた。
「それで、今何処に向かっているんですか?」
「アァ、モウスグツク。コノモリノチュウシン」
暫く行くと森が開けて大きな岩のある場所に着いた。
「これは…?」
岩は高さが三メートルほどのものだったが、それはまるで男の頭のような形をしていた。
「ワガシ、ワガオンジン、カレコソコノモリソノモノ、コレハソノアタマダ」
「この森そのものって、まさか」
「ぼんそわ、えんぴれお、だいじょうぶ?」
ルシファの挨拶に岩は少し苦しそうに表情を変えた。
「ヒサシイナ、エンピレオ」
ダンテの声に岩、エンピレオは少し嬉しそうになったが、マサノリを見て少し不快になった。
「アァ、タシカニ"ヒューマン"ダ。ダガ、ルシファトニテイルダロ」
エンピレオはマサノリをじっと観察した。何かを察したようにうんうんと頷いた。
「ソウダナ」
まるで聞こえないエンピレオの声を聞き取るようにダンテは話をしていく。途中でエンピレオは苦しそうにした。
「ダイジョウブカ?ナニ?モリデアバレテイルヤツガイル?ジュウニンタチガタバニナッテオシトドメテイルノカ…ナニ?キタノホウデモアバレテイルヤツガイルノカ?」
「北…?」
「ナンダドウシタンダ?」
「いや、元々北に行こうとしていたから…」
「ジャァ、モシカシタラソイツガツレカモナ」
「いや、今はいいんだ。この人に聞きたい事があるから来たんでしょう?」
マサノリの"人"の言葉にエンピレオは少し驚いていた。
「アァソウダナ…ワガシヨ、ワカッテイルトオモウガルシアガキエタ。ドコニイルカワカラナイカ?」
エンピレオは少し考えてから頷いた。
「ソウカ、ココカラキタノスコシトオクニ…ワカッタアリガトウ。"ヨウ"ガスンダラオレモチカラヲカスヨ」
そうして三人は再び森を歩き出した。




