魔森巡礼12
マサノリが眼を覚ますと苔に覆われた場所に放りだされていた。
柔らかい苔の上に落ちた為に怪我はなかったが、頭を強く揺さぶられ脳震盪を起こしていた。
「ここ…は!?」
気がつけば森の中へ飛ばされていた。
(まずい!早く、線路に戻らないと!)
ふらつきながらも立ち上がって生茂る草木をかき分ける。すると、ビリガーが倒れていた。
「ビリガーさん!」
「マサ…ノリ…来ちゃダメだ…」
ビリガーの上に巨大な木の根が落ち串刺しにした。たちまちビリガーの体は干からびていく。
「えっ」
見上げると根が足になった巨大な木の人がいた。
言葉を失っていたマサノリを巨人は見つめていたが風が吹くと去っていった。根から干からびたビリガーが離されマサノリの側に落ちてきた。
「なんで、」
「イヤぁぁぁぁ、来ないで!」
さらに遠くから銃声がした。黒い制服がはだけた若い女性隊員が小さな子供くらいの角を生やした化け物たちに撃っていた。弾が無くなると小鬼たちは隊員に襲い掛かって束になって犯していた。声にならない虚しい悲鳴が鳴り響いていた。
「くたばれこの野郎!」
後ろの方では男性隊員が巨大な蟲たちにマシンガンを放っていたが堅い甲殻に全く歯が立たず頭から噛み砕かれていた。
気がつけばマサノリの周りは地獄になっていた。
「ハァ、ハァ、もう嫌だ、こんなの…先輩、助けて…」
マサノリはカーラを見つけた。カーラは身ぐるみを剥がされ、所々汚れ、股からは血が流れていた。マサノリを見つけると詰め寄った。
「あ、アンタさえいなければこんな目に合わずに済んだのに!アンタ、さ、え?ヒィ…」
カーラは怯えていた。マサノリの右眼、カラーコンタクトが外れていた。緋く、人外の瞳を見てしまったが為に。
「ば、化け物!近寄るなぁ!化け物!ハァハァ。うっ…」
マサノリに土をかけていたカーラは急に吐き出した。
「ウソ、悪阻?もう?ありえない!クソ、早く、早く、助けてぇ、先輩!」
叫ぶと同時に巨大な鬼の手にカーラは連れ去られていった。"小鬼"の一匹がマサノリに近づくと、眼を見た瞬間に慌てて去っていった。
「オマエ、コッチダ」
突然、後ろから大きな手に捕まれたマサノリは放心したまま運ばれて、そのまま水の中に放り込まれた。
「ブハっ⁉︎」
「メェサメタカ、マヌケ」
「あなた、だいじょうぶ?」
水面から顔を出すと大きな面を被った大きな鬼と角を生やした人の女の子が居た。女の子はマサノリを見ると、笑顔になった。
「わたし、ルシファ!こっちはダンテ!あんしゃんて!」




