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魔森巡礼3
トリノ郊外の小さなホテルの一室には天使の少女が今だ眠るタカを看ていた。
「アリアさんは熱心ですね」
部屋の奥からドワーフの若い白髪の優しそうな男、エルーが奥からやって来た。
「マスターは大丈夫なのですか?」
「意識は戻りませんが、身体の方は健康そのものです。大丈夫ですよ。」
優しい口調でエルーはタカに栄養剤の点滴を交換する。
「そうですか…」
アリアはタカの頭をそっと撫でた。
「なぜ、私を置いていったのですか?マスター…」
その隣の部屋では二人の女性がベッドに包まるマサノリをよそに昼食をとっていた。
「メリュ、エルーさんはとらないの?」
「買ってくれる途中で食べたって!アリアちゃんも、食べればいいのに!」
ヒューマンの若い黒髪の女性キリと、ピンク色の髪の少女メリュジーナは机に着いてエルーが買ってきたサンドウィッチを食べていた。
「貴方、あの子好きね…私には無理だわ」
「えー?アリアちゃんはいい子だよ?このサンド美味しいね!」
「貴方に褒められるサンドなら、"名誉"ね」
「キリも美味しいでしょ?」
「えぇ、美味しいわ。私はもう少しスパイシーが効いて欲しい感じかな」
「ねぇ!キミも食べないの?冷めちゃうよ?」
「……」
マサノリは返事をする事は無かった。
朝は晴れていたが、曇って来た。




