3024/9/〇
あれは確か夏だった。
とても暑い日、僕は幼馴染の刹那と近所の神社で遊んでいたんだ。刹那が神社の脇の小さな祠にいたずらで手を掛け、中から小さな箱を持ってきた。
僕はあの決して近づいてはいけないと言われていた祠から持って来たものと知っていても、刹那に言われるまま箱を一緒に開けた。
箱は子供の僕でも腕で抱えれるような大きさの黒い長方形の木箱で、紫の紐で結んであった。
僕と刹那は固く結んであった紐をどうにかほどき、蓋を開いた。
中には黒く干からびた何かの動物の死骸が入っていた。骨が所々でて、人の顔のような、蜥蜴の顔のような頭が苦しそうに口を開いていた。なんとも言えない鼻につく臭いに刹那と僕は口を塞いだ。
大声を出せば大人たちがやって来るので、この気味の悪い死骸を二人でまじまじと暫く見つめた。
祠に戻そうと言おうとした時、刹那の様子がおかしい事に気がついた。
刹那は何かに抗うように汗をびっしょり滲ませながらも、死骸に手を伸ばそうとしていた。
僕は刹那の手を掴んで止めようとした。しかし、刹那の腕はものすごい力がかかっているのか、全く動かない。
それに触れれば駄目だと、後ろから声がしたようだった。だが、ゆっくりと刹那の手はそれに近づく。
どうしていいのか分からなくて僕は、刹那が触れる前に、死骸を掴んで持ち上げた。
パリーンっと何かが、弾けた音がした。
途端に掴んでいた死骸から黒い煙が出て、僕を包んだ。慌てて死骸を放り投げるものの、煙は僕を離さない。刹那が叫んで僕から煙を払おうとするものの、煙は僕の鼻や目、首の後ろから入っていった。
次には僕は気を失った。
それが"始まり"で、僕の、僕たちの"罪"だった。




