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動物は友達

作者: 眠れる豚

愛護団体というのが昔から不思議に

思っていたので妄想を書いてみました



ここに出てくる固有名詞はすべて妄想です

実在のいかなるものとも無関係です

こんにちは週刊NCBの加藤です

今日は豚食反対団体の会長 犬養さんに

お話を伺います


「犬養さん今日はよろしくお願いします」


「ええ こちらこそよろしく」


「早速ですがこの運動を始めたきっかけはなんでしょう?」


「もう二十年前になりますかね  

 当時住んでいた九州で海岸沿いをサイクリング

 していたんですが その時故障したトラックを

 見かけまして 少し車関連の仕事をしたこと

 があったので声をかけたんです

 幸いメーターの故障でただのガソリン切れらしく

 問題なかったのですがガソリンを買ってくる間

 車を見といてくれないかということで

 休憩もかねて待っていたのだが

 どうも何かの鳴き声が聞こえるので

 不思議に思って車の後へまわってみると

 狭い社内に無理やり詰め込まれた豚が

 その日は暑いだったのでかわいそうに

 思って持っていた水を飲ましてやったのですが

 そこに運転手が戻ってきて見や否やすごい勢いで

 走ってきて なにするんだ! と怒鳴られまして

 結局出荷予定の豚に怪しい液体を飲ませたために 

 出荷できなくなったとして損害賠償

 を請求されまして その時に見た出荷される豚

 があまりにあわれでと言うことです」


「なるほど」


「そもそも人間は肉を食べる必要はないのです

 栄養なら植物からで十分です

 それが肉がいいという娯楽のために

 豚を殺すというのは人道としてどうなのでしょう」



―――――――――――――



「猪谷さん 今日はよろしくお願いします

 まずは牛の不殺運動とはどういうものなのですか?」


「はい 人間は食べるために牛を飼っていますが

 肉にする効率がいいというだけで二才くらいで

 殺します それはあまりにかわいそうなので

 寿命を全うした牛を食べる

 つまり人が殺すのではなく 死んだ牛を食べる

 ということです」


「なるほど 死んだ牛はいいんですね」


「ええ 生きるためには食べなくては

 いけない でもそれは他の生き物を

 殺さなくてもできることなんです」


―――――――――――――――――

こんにちは加藤です

今日は友愛の会というところに来ています


「代表の河田さん今日はよろしくお願いします」


「ええ」


「友愛の会は仏教の教えを元にしているとか」


「ええ」


「私は食と倫理という観点で取材をしているので

 すが食に関してのものは

 具体的にはどういった教えなのでしょう」


「魚 鳥 獣 の肉を食べないことですかね」


「ということは動物全般ダメということですね」


「いえいえ 違います 魚鳥獣だけでそれ以外

 イカタコエビや虫は構いません

 生物学的に言えば脊椎動物だけです

 宗教と科学は反発するものではありません

 科学的に近縁な生き物は食べないということです」


「なるほど ありがとうございました」


――――――――――――――


こんにちは加藤です

今日は群馬県南部にある遺伝子研究所に来ています


「広報担当 白井と言います 今日は案内を

 させていただきます」


「週刊NCBの加藤です  取材を受けて下さり

 ありがとうございます 今日はよろしくお願いします」


「はいでは西側から見ていきましょう こちらです」




「ここが第一棟です 今は豚の研究をしています」


「ちなみにどのような改良を?」


「一言で言えば豚を豚でなくす研究です」


「どういうことでしょう?」


「豚を宗教的に触れない人のためですね

 既存のものと交配不能にして豚でない

 ブタモドキをつくっています

 もう実用化一歩手前です」


「こちらが第二棟です 牛を扱っています

 二歳になると同時に死ぬ牛を作っています」


「なぜそのようなものを?」


「牛の中には屠殺の時に恐怖で暴れるものもいる

 のです 牛に無駄に恐怖を感じさせるのは

 あまりにもかわいそうだということです 

 いまは安全性を確かめる段階です」


「最後にこちらが第三棟ですが無脊椎化の研究です」


「聞いたことがない言葉ですね」


「ええ 研究を始めたばかりでまだまだですが

 特にマグロや鮭等の魚を基礎として 

 無脊椎魚を作る研究です」


「役にたつのですが?」


「おそらくいずれ」


――――――――――――――


   




取材の中で人間と動物がよりよく共存していくため

に真剣に考えている姿が印象的だった

人間も動物も同じ宇宙船地球号の乗組員なのだ

動物のことを考えるその姿勢は尊敬に

値すると思う 


動物との関わりが薄くなるなかで

我々はいつしか忘れてしまっていたのではない

だろうか

   人間と動物は友達 

           であることを
























――――――――――――――――――――

都内某所


「白井さん注文のほうはどうですか」


「ええ順調です あちこちの養豚業者から来ています

 M県でのデモと噂は相当衝撃だったようです

 さすがですね犬養さん これお納め下さい

 色をつけておきました」


「おおっ では計画通り」



「おや 遅刻かな」


「そんなことありませんよ 猪谷さん

 牛のほうはどうですか」


「意外と賛同者が多くて計画を前倒しできそうです

 アホな有名人がSNSで呟いたらしく

 ありがたい限りです  犬養さんのほうは?」 


「こっちも順調です」


「今日は河田さんは?」

 

「友愛の会の会合だそうで」


「それにしても最近は便利なのか不便なのか」


「ええ 何でも履歴が残るのは考え物ですね」


「ではまた3月28日に」


「それでは失礼」

 


動物愛護というのは難しいところだと思います


かわいそうだからと他の人が食べるものを制限

してよいのでしょうか?



同じ動物を家族だと考える人がいる一方肉だと思う人も敵だと考える人もいます





皆さんは動物をどう考えますか?

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