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小冒険

 今日は私たちの野外演習。

といっても学校の授業ではありません。


 今日は日曜日。

そもそも学校は休みなのです。


 では何をしているかというと私の家からちょうど5キロぐらいの所に裏山があります。

そこに最近魔物が出現しているそう。

まだ山の中にいるので安心なのだがいつ山の外に出るかもしれない。

それで私たちは練習がてら魔物退治に行くことになった。


 両親はかなり反対した。

もちろん私が可愛いから。

でも私の意思は変わらない。

私は女剣士になりたいのだ。

それぐらいのことが出来ないでは話にならない。

その時私の恋人でもあるひかるが私を援護してくれた。

「ご主人様、メイドの身分でありながら発言をお許しください。

お嬢様の成長のためこの事は大事なことだと思います。

私もくノ一の専門学校に通わせてもらっていますがまだまだこの世界は危険が一杯です。

自衛が必要なのです。

ましてやお嬢様は今、剣士の学校に通っていらっしゃいます。

これは良い経験です。

どうか許してやって下さい。

私も同行しますので。

何かあったら私が責任を持ちます」

と言ってくれた。

私はとても嬉しかった。


 そして今私は裏山にいます。

もちろん私1人ではありません。

きょうちゃん、はやちゃん、みどりん、そして私の頼もしいメイドひかる。


 まず最初にひかるは

「え〜と、今から魔物退治をします。

知っていると思いますが魔物はとても危険です。

命の危険があるかも知れません。

ですが私はギリギリまで手を出しません。

心して取りかかってください。

私はあなたたちより5つしか年上ではありませんが今回はあなたたちの保護者です。

自慢ではありませんがこれでもあなたたちより大分強いんですよ。

だからもしもの時は頼ってくださいね」

と訓示してくれた。

そして私の耳元で

「君の活躍楽しみにしているよ」

と囁いてくれた。

それがとても嬉しかった。

今日のひかるはくノ一スタイル。

暗い赤の忍者スタイルがとても凜々(りり)しい。


 まず出てきたのはイノシシの魔物。

私が前世で見たイノシシよりも数倍は大きい。

そしてものすごい勢いで私たちに向かってきた。

私は焦って炎の剣を振り払った。

そしてそれがクリーンヒット。

まぐれの当たりだ。

そしてきょうちゃんが水の剣でイノシシを窒息させた。

まずは1勝。


 次に出てきたのが狼の魔物。

あっという間に私たちは10頭ほどの狼に囲まれてしまった。

その狼もかなり大きい。

私たちの背丈の2倍ぐらいか。

前世では見たこともない大きさだ。

私が怖じ気づいているとはやちゃんは「今度は私の番」と言って氷の剣を振りかざした。

氷の剣は私たちを中心にしてドーナツ状に狼を凍らせた。

もちろん中心の私たちは無傷。

いやはや凄い威力だ。

残った狼もみどりんの風の剣で吹き飛んでいきました。

みんな私より凄いなと感心してしまいました。


 そして最後に出てきたのは熊の魔物。

それはその熊は何メートルもあろうかとある熊。

もちろん今までの魔物のどれよりもデカい。

そしてかなりの凶暴。

この世のものとは思えないような魔物。

流石に私たちは怖じ気づいてしまった。

そうするとひかるは「しょうがねえな」と言い1人で立ち向かった。


 ひかるは格好良かった。

私と同じ炎の剣の持ち主でそれで果敢に闘っていた。

そして剣意外でも手裏剣や鎖鎌を多用していた。

その全ての武器はやはり炎に包まれている。

見たことのない光景だ。

それにしても魔物の熊は俊敏だ。

私の目では追うことが出来ない。

それについて行けてるひかるも凄い。


 しばらく熊とひかるの攻防が続いた。

そしてひかるは

「そんなもんかよ。

お前の実力は。

全然つまんねえな」

と言った瞬間に熊の首がはねられた。


 私たちが呆気にとられたいるとひかるは

「言ったでしょ。

あなたたちより強いって」

と平然な顔をしていた。

少し笑みを浮かべていたような気もする。


 一応クエストを終え私たちは解散した。

家に帰ると私を両親が温かく迎えてくれた。

私は強がったが少し涙が出たりもした。


 そして私たちの部屋に戻るとひかるはメイドモードから男の子モードに変身していた。(見た目は変わらないが)

ひかるは

「全く心配したぜ。

本当に基本がなっていない。

クエストに行きたいって言うから基本はマスターしているものだと思っていたんだぜ。

表面は笑顔でいたけど本当にハラハラドキドキだった。

まだしばらくはクエスト禁止。

少なくとも小学校卒業するまでは。

今日はまぐれだったんだぜ。

君が怪我したら俺はどうしたことか

ご両親にも申し訳ないし何より俺自身が落ち込んでしまう。

本当に勘弁だぜ。

いつもより口調が荒いけどそれだけ心配したって事だからね」

私は黙って聞いていた。

そしてひかるは口調が変わり

「みよしは僕のお姫様なんだからもうあんな無茶はしないで欲しいな。

ごめんね。

言い方はきつかったかな。

何せ男言葉は慣れていないもんでどうしても安定しないんだよね。

でもこんな姿でも僕は君の前では男として接したいんだ。

君を大事に思っているからね。

でも男に戻るつもりはないからね」

と話した後ウインクして口元に人差し指を置き「秘密だよ」のサインをしてくれた。


 私はいつも彼女のこの仕草にやられてしまう。

とにかく彼女の笑顔が私の明日の活力にしてくれるのだと思いお互い別々の部屋で床に就いた。






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