表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

剣術

 今日は1日、剣術の授業。

たまに担任の気まぐれでそうなる。


 担任の先生は真種またね 秘目ひめ先生。

非常に厳しい女の先生だ。

礼儀に非常に厳しい人だ。

生徒には非常に恐れられている。


 ちなみに私の学校は男子禁制。

親といえども男子は入れない。


 それで今日はなぜ剣術の授業かというとなんか凄い人が来るらしい。

担任の先生自体、剣術の達人なのだがそれを上回る人って一体誰なのだろうか。

ワクワクして待っていた。


 それにしても朝から気になる人物がいる。

それは私のメイドのひかるだ。


 うちの学校は児童の関係者で女性であれば誰でも入れる。

なぜか今日はひかるが朝からずっといる。

何をするでもなく。

学校はどうしたのだろうか。

月〜土は(私とは別の)学校のはずだが。

それにたまに担任とひそひそ話。

私とは朝から一言もしゃべってないくせに。

本当に気になる。


 ちなみにひかるは私の婚約者だ。

メイドであり女性であるが。


 剣術の授業は組み手形式。

2人1組でヘトヘトになるまで続ける。

それが1日続くとなるとかなり憂鬱だ。


 私の組み手相手はきょうちゃん。

棒術の使い手。

対する私は長剣使い。


 ちなみに私が使う長剣は竹刀ぐらいの長さできょうちゃんの棒は私のそれの倍ぐらいの大きさ。

正直、きょうちゃんはかなり長い得物の使い手です。


 ここで説明しなければいけないのはここは異世界だと言うこと。

つまり剣術も前世の頃と全く違います。

それは自分たちの得物に能力を付けること。

私は炎系の能力なので持った途端、得物が激しく燃える。


 最初はそれを扱うのも難しかった。

何せ燃えている者を素手で握るのだ。

とても熱いしとても痛い。

本当に我慢できなかった。

そして担任はその様子を見て

「絶対に手を離さないでね。

手を離したら本当に怒るからね」

とマジ顔で言う。

私は泣きながら痛みとあつみを我慢した。


 それももう一昔前のこと。

今では少し痛みを我慢するだけだ。

(それでもかなり痛いが)


 正直、きょうちゃんが羨ましい。

きょうちゃんは水系の能力者。

棒にはびっしりと水が纏っている。

それがとても気持ちよさそうに私には見える。

本人曰く苦労もあるのだとか。

そんなこと知った凝ったないが。


 きょうちゃんはおしゃべりだ。

授業中も話しかけてくるほど。

だから組み手の最中も話しかけてくる。

「ねぇねぇ。

あのメイドさんは何者なの?

知ってる?」

私が攻撃に耐えている時にも話しかけてくる。

きょうちゃんは私と比べてかなりの使い手。

しかもしゃべりながら攻撃してくるから私は防戦一方。


 きょうちゃんは

「知らないんだぁ。

私はあのメイドさんかなりの使い手に見えるんだ。

担任よりも凄腕の。

しかも見た目、年齢は担任より大分若いよね。

かなり苦労してきた人かな。

ねぇ、みよちゃん(私)はどう思う?」


 私は受けるので精一杯で会話どころではない。

きょうちゃんは

「ねぇねぇ、いつも思うんだけどさ。

普段は会話してくれるのにどうして今は出来ないの。

話をしてくれったって良いじゃない」

私は話すことすら出来ない状況なのだが。


 お昼近くなるとひかるがすっと私の前に現れた。

それにきょうちゃんは唖然としていた。

何せ乱戦模様で至るところで組み手をしている。

そこを普通に避けることなく歩いてきたのだ。

そりゃ驚くよ。


 ひかるは

「お嬢様、お昼の時間です。

今日は私がお弁当を作って参りました。

用意がしてありますのでそちらへどうぞ」

そういった瞬間、お昼休憩となった。

ひかるは

「お友達の分まで用意していますので良かったら皆様もどうぞ」

とにこやかに対応した。


 お弁当の時間、きょうちゃんは

「何だ、関係者だったら言ってくれれば」

と言った。

私は

「だからあなたの攻撃が精一杯でしゃべる余裕なんてなかったの」

と応答した。

ひかるは

「ずっと練習を見ていましたがお嬢様は手に覆うオーラが少ないように見えます。

もっと手に厚くオーラを纏えば熱さを感じることはないと思いますよ」

とアドバイスしてきた。

「他の皆様はオーラの扱いがお上手で感心しました。

お嬢様以外は本当にお上手で」


 ひかるは続けて

「それと気になるのですがえっと、ドジっ娘の方と言いますか」

と戸惑い気味に話し始めた。

ドジっ娘とは私の友達のみどりんのことだ。

今日も組み手中盛大に転んでいた。

ひかるは

「どうも得物があっていないように感じます。

ドジっ娘の方は両利きのように見受けられます。

どうでしょう。

長剣と短剣の二刀流などは。

あなたにお似合いだと思いますよ。」

とアドバイスしていた。


 私は

「そういえば学校はどうしたのよ。

あなた通っているはずでしょ」

と聞いてみた。

ひかるは

「あら、心配してくれるの。

有り難いわ。

でも心配はご無用。

私は実習生としてここに来ているの。

教育実習生としてね。

今日は下見なんだけど。

是非とも真種先生が来て欲しいって言うから。

剣術の達人としてね。

ほら、くノ一の学校で剣術で1番になっちゃったから。

是非とも来て欲しいって懇願されちゃってね。

でもまだ正式の実習生じゃないから下見ならと言うことでここに来た訳。

いろいろと勉強になったわ。

後は帰ってから話すわね」

とにこやかに話し私をあっけらかんとさせてくれた。


 そして午後の授業。

もちろん剣術の続き。

みどりんは早速、得物を変えていた。

私はと言うとこの地獄を早く終え、家に帰ってひかるの話を聞きたいと思っていた。

それにしても早く授業が終わって欲しい。

流石にもうきつい。


 帰ってひかるとゆっくりまったり過ごしたい!!





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=351204731&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ