友達紹介
週明け、私はいつものように学校へ向かった。
これでも10歳の小学生。
ちゃんと学校に行っています。
ちなみに学校はと言うと前世の学校とは違い寺子屋みたいな感じ。
どちらかと言うと前世で通っていた書道教室に近いかな。
しかし、規模はかなり大きくさながら女学校と言った感じ。
登校したら履いていた下駄を脱ぎ、教室では授業中正座。
前世とは違い学校に椅子なんてありません。
最初はきつかったけれど不思議なことに今では慣れたものです。
和服も最初は違和感はあったけれど今では慣れたものです。
いわゆる体育の授業の時には袴姿に着替えます。
体育と言っても前世とは違い、ほぼ武術の授業。
前世では剣道をやっていたのでこの世界では長剣使いと言うことになるのだそうです。
竹刀みたいな長い剣を使っての訓練。
実際は木刀なので当たるととても痛いです。
だから授業では寸止めが基本。
まぁ、もし当たって大けがをしても先生の治療魔法ですぐに治るのですが。
ここからは私の友達紹介。
眼崎 鏡花ちゃんは明るい子。
いつもおしゃべりでクラスのムードメーカー。
カチューシャと眼鏡が目印。
通称きょうちゃん。
棒術の使い手。
運藤 千速ちゃん。
通称はやちゃん。
運動神経抜群。
槍の使い手です。
ちなみに実家では薙刀、そして弓も習っているそう。
かなりの努力家だと思います。
目印はポニーテール。
海読 美土里ちゃん。
通称みどりん。
成績優秀、かなりの勉強家。
しかし、かなりの運動音痴でドジっ娘。
勉強以外はダメダメです。
目印は三つ編みツインテと言ったところでしょうか。
なぜか棒術使いですが、どちらかというと棒に遊ばれているようにも見えます。
以上が私の特に親しい友達です。
今日も登校するとすぐにその3人が私のもとに集まってきました。
そしてきょうちゃんが
「ねぇ、ねえ、昨日みよちゃん(私)ちに婚約者が来たって本当?」
と聞いてきました。
私は
「え〜、本当よ」
と言うと友達は色めきだった。
いつの世も恋バナはガールズトークの花形。
それから矢継ぎ早に質問が飛んできた。
はやちゃんは
「ねぇ、ねえ、どんな人なの」
私は
「別に普通の人よ。
会うのは2回目だったけれどさらに格好良くなっていたというか」
みどりんは
「その人、イケメンなんだ。
そのイケメンと一つ屋根の下って凄いわね。
考えるだけで」
私は
「別にイケメンって訳じゃないけど」
と言うときょうちゃんは
「またまた、ご謙遜を。
先週、かなりのイケメンだって自慢してたじゃない」
私は
「本当にイケメンじゃないって」
て否定すると3人からは疑いの目が。
私は
「詳しい話は放課後にするわ。
きっと長くなるから」
と言って話を切った。
3人は
「絶対だからね。約束だよ」
と念入りに言ってきた。
それを私は渋々了解した。
放課後、私は3人に婚約者のことを話し始めた。
「私の婚約者は本当にかっこいい人なの。
数年間会っていなかっただけでこんなにも人は変わるのかって言うぐらいかっこいいの」
3人からは「ノロケはいいから」と野次が飛ぶ。
私は構わず続けると
「自慢じゃないけど今、4つの学校に通っている天才でもあるわ。
そのうち2つは専門学校、残りの2つは大学に通っているの。
天才でもあって4つの学校に通えるのは凄いことだと思うの」
と言うと次第に「自慢はいいから」と野次が飛ぶようになった。
「まぁ、自慢はここまでとしてここからが大事な話なの。
私の婚約者が専門学校に通っているって言ったけどその専門学校はメイドとくノ一の専門学校なの」
「!?」
さすがに3人は戸惑っていた。
きょうちゃんは
「えっと、どういうことなの?
え、婚約者は男の子じゃないの?」
さすがにパニクっている。
私は意を決して
「私の婚約者はもと男の子。
つまり性転換して今は女の子なの」
3人は呆気にとられている。
私は
「彼の男の子時代は本当にかっこよかった。
でも女の子になった今でもかっこいいの。
それに美人だし。
クールビューティーと言うべきか。
それに中身はちっとも変わっていなかった。
私を思う心も。
彼が彼女に性別が変わっても別に気にしない。
中身が変わっていないのだから。
彼女はまだ家に来てから数日しか経っていないけれど私は彼女を全力で愛そうと思うの。
彼女もそうしているのだから。
と言っても彼女は週末にしか帰ってこないのだけどね。
普段は学校の寮に泊まっているそう。
今週の週末、本当に楽しみにしている。
彼女が帰ってくるのを」
と言い終わると3人から拍手が湧いた。
それに私は驚いた。
きょうちゃんは
「本当に感動したわ。
でも今の話し方だけど、本当に小学生?って感じ。
なんか私たちよりもずっと大人な感じよね。
言うなれば前世の記憶がよみがえったような。
そんないくつもの経験を踏んできたような。
まぁ、別に気にしないけど。
他の2人は感動して泣いちゃったりしてるから」
この娘は変なところに鋭い。
多分、前世持ちではないだろうけれど。
今日は家に帰ったところで婚約者の彼女はいない。
週末まで悶々としながら過ごすのかと思うと本当に長い一週間になりそうだと思った。