山下公園~元町中華街~横浜の夜景~
『都道府県47使徒』『都道府県47ダンジョン』の存在を知ることになったが、現時点ではそれを探すための地図やアプリなども無いような状況なので、どこにダンジョンがあるのかもわからない。
したがって現時点では、後回しにせざるを得ない。幸いにして、彼らは自分たちの縄張りを守ることだけを考えているようだ。
「今回のところはそれだけ伝えに来ただけだ。
いずれ戦う機会があったら、剣を交えてみようぞ。それでは、しばしの別れだ。」
トレミーはそのまま去っていった。
「さて、次の目的地に向かおうか。」
俺、風来坊太郎は、できるだけ早く、数多くの名所にいっておきたかったのだが、そこに現れたのは、『市区町村擬人化キャラ』だった。
「私は横浜市の市区町村擬人化キャラ、横浜あゆみといいます!」
横浜あゆみか、なるほどな…。
横浜で『あゆみ』といえば、『ブルーライトヨコハマ』を歌った、いしだあゆみを連想するのは、おそらく同世代の人間だろう。
「ねえねえ、新しい町に向かうのもいいけど、ここはひとつ、もうちょっとだけ横浜を歩こうよ。
横浜には、例えば山下公園とか、元町・中華街とかね。」
てか、元町中華街の小籠包がお目当てなのだろう。
確かに、元町中華街の小籠包は名物だ。それと焼売なんかも食べたいと思った。
餃子は、どちらかというと宇都宮とかの方が有名らしいが、そうだ、気が向いたら宇都宮の餃子も、食べに行きたいな、いや、いずれは行くことになる。
なぜならこの旅は、全国全ての都道府県、市区町村、離島に至るまで足を運ばなければならないからだ。
いずれ北関東、群馬、栃木、茨城、そして宇都宮にも、足を運ばなければならないからだ。
と、その前に、まずはデートスポットでも有名な山下公園へと向かう。
旅はいい。旅をすれば、運命的な出会いもある。
やはり旅先では数えきれない多くの人に出会えるというもの。
そこで出会った人もやはり、俺にとって運命的な出会いとなった人の一人である。
「風来坊太郎さんですね!ずっと会いたいと思って、お待ちしておりました。
私は『歴史の旅と乗り物と名物料理』という雑誌を担当するルポライターの、速水瑞希と申します。」
『歴史の旅と乗り物と名物料理』という雑誌は、まさにタイトルの通り、歴史の名所旧跡、名城、昔からの乗り物、乗り物の発展の歴史、さらには全国各地のB級グルメも含めた名物料理に関する記事を執筆する雑誌のことで、これらのものに興味のあるマニアを中心に、根強い売上を確保している雑誌のことだ。
速水瑞希「聞くところによると、風来坊太郎さんは、全国津々浦々を巡る旅をしているそうですね。」
風来坊「いやー、ですがまだ旅を始めたばかりなので。」
速水瑞希「私たちもできる限り、風来坊さんの旅を追いかけて、いい記事を書けるよう努力いたします。
『歴史の旅と乗り物と名物料理』は、こちらの雑誌です。
私たちの勤める『㈱総合文芸出版』は、全国に支店や事業所がありますから、そちらの方にも、気が向いたら立ち寄って下さいね。」
風来坊「それでは、僕らはこのあたりでおいとまさせていただきます。
これから元町中華街へと向かい、そこからさらに先の目的地へと向かいますので。」
速水瑞希の取材を受けた後、風来坊たちは元町中華街へと向かう。
「着いた着いた!ここが元町中華街か!」
いや、さすがは日本国内でも屈指の中華街。
お目当ての小籠包の店に到着した。
店員が訪ねる。
「いらっしゃい、うちの店の名物、小籠包はいかがでしょうか。」
「じゃ、小籠包で。」
そこで小籠包と焼売、さらには、ついでにという勢いで、春巻きなどもいただいた。
俺、風来坊太郎と、過疎千恵、さらに横浜あゆみと、取材記者の速水瑞希もいっしょに、小籠包と焼売と春巻きをいただいたが、正直もう、食べきれない…。
元町中華街をしばし満喫したら、もうその日は夕暮れ時。
夕日を眺めながら、これからの旅路に思いを馳せる。
そしてその日はつかの間の休息。そのまま横浜で一泊することにした。
やがて日が暮れて、夜のとばりがおりる。
横浜ランドマークタワーをはじめ、街のあかりがとてもきれいだ。
「夜の横浜というのも、いいものですね。
ところで今晩の宿泊先は決めてあるのですか?」
尋ねたのは速水瑞希。
「ご心配なく。それなら既に私が決めてありますよ。
ほら、あのホテルです。」
宿泊先を決めたのは女神こと、過疎千恵。
俺たち4人はそのホテルに一泊し、その後のことはまた明日以降に考えるということになった。




