染まる
世界は白と黒
君はなんて純粋な少女なんだ
とても真っ白で美しい
あいつはとても最低な青年だ
ああ真っ黒で醜い
白い少女は黒い青年と出会う
少女は青年を理解しようと黒を知る
知らないままでよかったのに
ああそんなことはやめてくれ
青年は興味本位に少女に黒を教えた
自分を理解しようとしてくれるのが嬉しかった
白と黒は正反対だ
出会ってはいけなかった
少女は知りすぎたんだ
純粋な君はもういない
真っ白な色に黒が混ざり濁った灰色
1度染まった色は戻せない
この世界は灰色に染まった
青年は白い少女を汚した
罪を犯したこれは大罪である
青年はこの世界から去るしかなかった
灰色の少女は静かに涙を流した
滲んだ世界を見つめ続けながら……
世界とは人の心。
白い少女は幸福や優しさなどプラスの感情。
黒い青年は孤独や悲しみなどマイナスの感情。
心が成長していくことでプラスとマイナス両方を持つようになる。
人はマイナスを嫌うため、マイナスを否定し消す。
けれど複雑化していく人の心はマイナスを何度消してもプラスだけにはならない。
プラス(白)+マイナス(黒)=(灰色)になる人の心を書いてみました。
読んでくださり、ありがとうございます。