トンネル
僕と友人はとあるトンネルの前に来ていた。
他にも何人かが一緒だ。
何故ここに来てるかというと、一種の罰ゲームになる。
簡単なことだ。ジャンケンに負けた為最下位の2人が行くだけのこと…。
ただこのトンネル…何やら曰く付きのトンネルらしい。
トンネルの中央辺りまで行くと何かが起こると言われている。
知っている友人も中にはいたが、何かは教えてはくれなかった。中に入ってみたらわかるとさ。確かにそうだが教えてくれてもいいものだ。デジカメを渡された。
中央まで行ったら写真を撮って来いと。
皆がドキドキしていた。
それはそうだ。曰く付きと言われているトンネルだからだ。2人はゆっくりとトンネルの中へ入って行った。
トンネル内はジメジメしており、時折ポタポタと雨粒が落ちてくる。その音が反響して響き思わずビクッとしてしまう。
「おいおい、何ビビってるんだよ。」「お前こそビビってるんじゃねーの?」
「俺は怖くねーよ。」
「そっか、その割には声が震えてる気がするけどな。」
「気のせーだよ。気のせい。俺が怖がるわけないだろ?」
「へ〜そうか?まぁ、そういうことにしとこうか。」
暫くは無言が続いた。
そして、中央までやってきた。なぜわかるかって?トンネルの壁に書いてあるからだ。
そこで写真を撮り始めた。
カチャカチャとシャッター音だけが響き渡る。
「なぁ〜…。」
「なんだよ。」
「なんか、こう、寒くないか?」
「いや、別になんともねーけど?なんかあんのかよ。」
「いやさ、さっきからずっと後ろが寒くてさ…。みてくんね?」
「分かったよ。」
シャッターを押す音は止めなかったが、一瞬だけ何かが通った気がした。
何を撮ったかを確認しようとするとまた背筋に寒気のようなものを感じた。
だが、そのまま確認を始めると何やら写り込んでいた。白い透明な球体が幾つも写り込んでいる。写真を変えていくと徐々に何かが写っているのが見て取れた。それは顔だった。壁一面に巨大な顔が般若のように睨んで写っていた。それを見た友人はビックリしたのと怖くなってトンネルから出て行こうとする。
俺は初め何なのかわからなかったが、友人の慌てように何かを感じてカメラをひったくった。
すると写っているではないか。
壁一面に顔顔顔…。
皆恐ろしい顔をしていた。
「なっ、なんだよこれ。」俺はガクガクした。そんな中、パシッパシッとラップ音が聞こえ出した。
友人と二人慌てて元来た道を引き返し始めた。走っても走っても中々見つけられない。後ろからは顔が迫ってくる。
出口が遠く感じられた。
後少し、あと少しという所で顔が追い付いた。服に何かが噛み付いた。
怖さもあったがとっさに振り向いた俺は恐怖した。顔が噛み付いていたのだ。
「うわーっ」
恐怖で友人を探したが、友人も同じように顔に襲われていた。
2人とも慌てて出口まで走った。
ようやく出口にたどり着くと仲間がキャッキャッとわめいていた。
後ろを振り向く勇気はなかったが、友人がカメラを後ろに向けてカシャカシャと何枚か撮っていた。
そのまま皆のいる場所へ向かうと皆顔面蒼白になっていた。
カメラを確認してみると顔顔顔が恐ろしい顔をしており、口を大きく広げて今にも飲み込もうとしている姿が映っていた。
その後、ここに訪れることはなくなった。
新しいトンネルが出来て、ここは封鎖されたから…。
今もこのトンネルに行くと何かが映るのだろう。




