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殺伐とした女子会は男子禁制です。

実家に帰省中です。

黙っていても食事が出てくる幸せ(^_^;)


今回は短いです。


 ―― 御爺様へ


 前略。いかがお過ごしでしょうか?

 私は無事にブランドレス国王立学術学院へ編入いたしました。

 学術学院というからどれほど高度な知識を得られるかと期待していたのですが、少々事情が違うようにございます。

 魔術学院はいくつもありますのに、学術学院は一校のみということを疑問に思ってはおりましたが、学院設立の経緯を知り納得しつつも呆れてしまいましたわ。

 本来は魔術の素養を待たない、貴族の子息子女のための学校として設立されたそうです。

 とはいえ、いくら何でも授業内容がお粗末過ぎて、退屈に拍車が掛かりました。

 けれどね、授業は退屈でも、生徒全員がそうであるとは限りませんでした。

 私、とても素敵なお友達ができましたの。なぜ学術学院にいるのか不思議なほど優秀な方々です。

 彼女達との議論はとても楽しく、有意義なものです。

 皆様、事情があって学術学院にいらっしゃったそうですが、やはり彼女達もここの授業内容には呆れたそうです。

 折角のご縁ですからもっと交流を深めるべく彼女達と一緒に、学術学院の偏った貴族主義を掲げる頭の残念な方々に、可愛らしく悪戯を仕掛けてみようと思いますの。

 悪戯の結果はまたお知らせ致しますので楽しみにしていてくださいませ。

 成功するように御爺様も祈って下さると嬉しいですわ。

 それでは。


 ファナ


 ####


 ブランドレスの王城で私に宛てられたお部屋は、内宮に建つ四つの塔の一つ、南塔の一室でした。

 南塔自体が賓客を遇すためのものらしく、どのお部屋も南側に大きな窓があり、そこからは王城の手入れの行き届いた美しい庭園が一望できます。長い歴史のなかで培われてきた魔術を応用し、幻想的な空間が広がる庭園は昼夜を問わずどこまでも私の目を楽しませて下さいます。

 天気の良い日には庭園に設えられたテラスで、メイリアとリーシュラン、そしてバーミリウスと共にのんびりとお茶を楽しむのですが、本日はお客様をお呼びしております。

 部外者を内宮にお呼びするとあって、少々許可を取る手間が面倒でしたが。

 お客様はブランシュ様とエゼルリーナ様。リューク様とマルキス様にはご遠慮頂きました。女性同士の方が気楽に話せるということもありますが、私の侍女二名も含めると女性比率が高くなりますから男性陣にとっては少々居心地が悪いかと思いましたので。

 ああ、バーミリウスは私の護衛騎士ですから、室内外に関わらず常に私の視界の範囲に控えております。尤もバーミリウスであれば大抵のことは無言でスルーでしょうけど。


「王宮には何度か訪れておりますが、内宮は初めてですわ」


 ブランシュ様が庭園を眺めて、心から楽しそうに無邪気な微笑みを浮かべていました。隣のエゼルリーナ様も無言で庭園に魅入っていらっしゃる様子。

 ええ。私も初めてこの庭園を見たときはあまりの素晴らしさに言葉を失いましたから、エゼルリーナ様のお気持ちもわかります。


「ブランシュ様、エゼルリーナ様。まずは面倒事を先に片付けて、それからゆっくり庭園見物を致しませんか?」


 私が苦笑交じりに提案すれば、御二人とも名残惜しげに庭園から目を離し、ようやくテーブルに着いてくださいました。しかしそこは才女と名高いブランシュ様とエゼルリーナ様。


「早速ですが、こちらが私達で調べた関係者一覧ですわ」

「こっちは関係者の背後関係を洗ったものです」


 さくっと気持ちを切り替えて、私が何か言うより先に本題を切り出してくださいました。


「では私からは、王家―― というより王太子殿下からお預かりした資料を。まずはそれぞれの資料を見比べて補足し合いましょうか」

「ですが、ファナ様、ブランシュ様? この量を補完しながら引き合わせるのはかなりの重労働ですわよ?」

「現状、誰一人として確たる証拠はありませんからね……」


 目の前に積み上げられた三つの書類の山は、目算でそれぞれ数百枚はありそうです。エゼルリーナ様の指摘はもちろん、ブランシュ様の仰るように、教団との深い関わり疑われる人々全員、それを明白にできるような証拠が何もないのです。


「やはり中に入り込むのが一番かしら?」


 ブランシュ様がため息混じりに零します。


「教団内部にはジルシードからも人を潜り込ませています。ですが、報告がまだ何も上がってきていないのです。潜入組に何か問題が起きた可能性も十分にあると考えています」

「ブランドレス王家が送った間者も、取り込まれたり殺害されたりと結果は思わしくないわ」

「……直接接触を図るのは最終手段です。私やブランシュ様はもちろん、リュークもマルキス様も顔が知られていますから、直接接触を図る場合、その役目はファナ様にお任せせざるを得ません。そうなるとファナ様の身柄の安全が保証できません」

「エゼルリーナ様の言う通りね。私もファナ様の身の安全が最優先と考えます」

「ですよね……」


 いくら目的のためとはいえ、私がブランドレスで命を落とすようなことになれば、確実に国家間の関係は悪くなるでしょうね。考えるまでもありません。

 となると、今できることは。


「面倒ですけど、目先の問題を片付けてしまいましょうか」


 私はメイリアとリーシュラン、バーミリウスに視線で同席と手伝いを促しつつ(三人とも嫌そうでしたが、主が苦労しているのですから、御三方にも同じ気持ちを味わってもらうのは当然です。)、机に詰まれた三つの書類の山に視線を移し、うんざりした気持ちでその一部を手にしました。



ファナちゃんの侍女メイリアとリーシュラン。護衛騎士のバーミリウス。

久々の登場です。

バーミリウスは今後、かなりの高確率で登場するでしょう。

(ファナちゃんの護衛騎士なので)


あれ?バーミリウス、これまでひと言も会話してない…?!

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