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凄い勇者だった俺が美少女勇者をプロデュースした件  作者: 穂麦
第2章 凄い勇者は美幼女勇者をプロデュースする
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俺は美幼女勇者に精霊を見せた 『キレイ……』

※2015/04/10加筆修正しました

 俺はイリアを森の奥へと連れ込んだ。

 

「大きいだろ」

「初めてみました」

「イリアの年齢なら見たことのない奴が多いよな」

「とても力強いです」

 

 俺達がいるのは世界樹の森。

 名前の通り、この森には世界樹があるんだ。


 イリアは、世界樹を目の前にしてその大きさに驚いている。

 確かに世界中の迫力はすごい。

 

 俺は前世で様々な世界に召喚されたんだ。

 どの世界にも世界樹は存在していて、神聖な物として崇められていた。


 世界樹が宿している魔力は途方もないものだ。

 だが、それだけでなく世界樹のある森その者も他の森とは大きく違う。

 そんな違いの一つに精霊という存在が多く集まる点があげられる。

 

 今回、俺たちが世界樹の森に来たのは、精霊に用があるからだ。


 勇者の素質が開花すれば様々な能力がアップする。

 それに都合のよい偶然が起きやすくなるというメリットもある。


 でも、それだけでは生き残ることすら難しい。

 

 勇者がどれほど優秀な力を持っていても、所詮は人間でしかないからだ。

 どれほど自分を磨こうとも人間の限界というものが付きまとう。


 だからこそ、自分の力以外の何かが必要となる。


 そこで今回、精霊の力を借りるトレーニングをすることにした。

 精霊と仲良くなれば、イリアが勇者となったとき役に立つはずだ。


「授業を始めるぞ」

「はい」

「授業は、精霊と仲良くなろうという内容だ」

「精霊ですか?」

「ああ、精霊というのは……」

 

 

 精霊には基本的に意思がない。

 だから精霊と仲良くなるというのは比喩的な表現だ。


 では精霊と仲良くなるとは、どんな意味なのか?


 その意味とは、魔力を使って精霊に干渉するというものだ。

 精霊に干渉して特別な行動をとってもらうことになる。


 精霊に干渉するためには、ちょっとした準備が必要となる。

 準備というのは、精霊の魔力と自分の魔力の波長を合わせるというもの。

 魔力の波長を合わせることで初めて精霊の力を借りられるんだ。

 

 では、精霊の力を借りると何が出来るのか?


 例えば──

 動物や木々の意思を感じ取る。

 使い魔の作れるようになる。

 魔法の仲介役。

 

 だいたい、こんな所だ。


 便利な精霊ではあるが、魔力の波長を合わせられないと使いようがない。

 だからイリアには、まず精霊と波長を合わせる基本から始めてもらおうと思う。

 

「まずは精霊が見えるように特訓をする」

「はい」

「イリアの周辺に弱い魔力を流してくれ」

「はい……」

「ゆっくりでいいぞ」

 

 イリアは目を瞑り意識を集中させている。

 

「魔力に何か触れたら、触れた感覚に意識を集中させる」

「はい」

 

 *

 

 しばらく意識を集中していると、イリアに反応があった。


「!!」

「何かを感じたのなら、触感のような物がないか考えてくれ」

「…………」


 先ほど感じた何かを失わないように集中しているのだろう。

 イリアの表情が少し険しくなっている。


「感じとれているか?」

「…………」


 言葉を発すれば集中力が途切れると思ったのだろう。

 イリアは、ゆっくりと頷いた。

 

「触れた感じのする方向に体を向けてくれ」

「…………」

 

 イリアは、ゆっくりと体の方向を変えた。

 

「触れた感じを捉えたまま。ゆっくり目を開くんだ」

「…………」

 

 イリアは、ゆっくりと目を開き──感嘆の声を上げる。

 

「キレイ」

「見えたか」

「ハイ! あっ」

「集中を乱したから見えなくなったようだな」

 

 イリアは落胆の表情を見せた。

 だが、初日で精霊が見えたのはかなり優秀だ。

 とりあえず褒めて、自信をつけさせよう。

 

「1日で精霊を見られたのは優秀だぞ」

「そ、そうですか?」

「ああ、かなり優秀なはずだ」

「フフフ、そうでうすか」

 

 イリアは嬉しそうに笑っている。

 美幼女の笑顔は花があるな。

 

「これからは、ここでの訓練を中心にするぞ」

「ええ」

 

 今後、俺達は世界樹の森に通い詰める。

 

 いずれは設備が整った施設なんかも欲しいところだが──。

 堂々と訓練できる場所があるだけ良しとしておこう。

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