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凄い勇者だった俺が美少女勇者をプロデュースした件  作者: 穂麦
第5章-D 凄い勇者達の日常
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俺は紅い剣を調べた 『昼食はどうする?』

始まりの村から帰ってきた翌日で、シリウスが世界樹へと向かう少し前の話です。

 俺は始まりの村で手に入れた剣を自宅の部屋で調べていた。

 

 

 コイツは芸術品としても価値がありそうだ。

 それに剣としては使えずとも、魔法の触媒としては使えると思う。


 しかし、この剣は明らかに異常だ。

 危険性をはらんだ剣であることは間違いないだろう。


 コイツは遺物と呼ばれる異世界からの漂着物の可能性があった。

 

 遺物には、稀に特別な力を有した物がある。

 有する力の性質によっては、国が求める場合すらあるが──危険性も高い。

 

 力を有する遺物を手にし、原因すら分からぬ死を遂げた者を前世で多く聞いた。

 死なずとも、肉体を人ならざる者に変質させられた者がいたとも……

 

 今考えれば、浮遊城ラジ・アーシカも遺物だったのかもしれない。

 

 ここまで考えた俺は、椅子の背もたれに寄りかかるように背筋を伸ばす。

 しばらく背中を丸めて剣を見ていたので、伸ばした背筋から心地よさを感じた。

 

(今は危険な感じは全くしないが……)

 

 コイツを手に入れた時は、追いかけ回されるという形だった。

 このことが軽くトラウマとなっているので呪われているか心配になってしまう。


 だが追いかけ回されたのは呪いが原因ではなかった。

 原因は俺の魔力に剣が反応したのが原因だったんだ。

 

(呪いは大丈夫……なハズだ。うん、たぶん大丈夫!)

 

 俺は自分に剣が呪われていないと言い聞かせながらアイテムBOXへと入れた。

 

 なぜ剣が俺の魔力に反応したのかという点は気になる。

 だが、現状で調べるのは難しいと判断した。

 

 よって、前世の俺が何かをやらかした影響ということにした。

 

 

 剣を片づけたタイミングに合わせたかのように部屋のドアがノックされた。

 多分、コーネリアだと思う。

 

 今日、家には俺とコーネリア以外はいない。

 だから他の可能性があったら怖い。

 

「入ってもいいぞ」

 

 俺が部屋に入って良いというとコーネリアがドアを開けて入ってきた。

 

「少し買い物に付き合って欲しいんだけど」

 

 コーネリアはおれを頼りにしてくれている。

 買い物で、俺のアイテムBOXが役立つと言ってくれる

 あと、転移方陣を使って王都に行けることも便利だと褒めてくれる。


 ここまで考えて、フと嫌な想像が頭をよぎった。 


(都合良く使われているだけのような……)

 

 嫌な想像により、コーネリアおれの未来の関係が一瞬だけ見えた気がした。

 だが、俺の見た未来は、気のせいだと信じたい。


「昼食はどうする?」

王都むこうで食べない?」

 

 俺とコーネリアは生活費はちゃんと受け取っている。

 10歳にもならない子どもに生活費を預けるというのは、親としてどうかと思う。

 

 などと別のことを考えてみた。

 都合よく使われているという現実から目を反らしたかったからだ。

 


 この後、コーネリアの支度が終えるのを待ち王都へと向かう。

 未来への不安は、笑顔の下に上手く隠し通せたと思う。

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