表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
凄い勇者だった俺が美少女勇者をプロデュースした件  作者: 穂麦
第5章-C 凄い勇者は旅行をする
85/207

俺の旅行は終了した 『じゃあな』

 俺はザイオンから受け取った聖杯をアイテムBOXに放り込んだ。

 聖杯を受け取ったあと、紅い剣を引き取ってくれと頼んでみるも断られた。


 ザイオン曰く……

 『その剣はスバル様を選びました。そこには何らかの理由があることでしょう』

 

 面倒事を避けたいという意図しか感じない発言だ。

 

 この発言により俺はザイオンに剣を押し付けるのは不可能と判断する。

 紅い剣は、しかたなく勇者コレクションに加えることにした。

 

 勇者コレクションは禍々しいと評判だから丁度いいだろう。

 

「じゃあな」

「ええ」

 

 別れ際ではあったが、ザイオンと語るべき特別な言葉は必要ない。

 

 気の効いた言葉を伝えることだけが良い別れ方というわけではない。

 心さえ繋がっていれば、僅かな言葉だけでも本当に大切な事は伝わるものだ。

 

 などと名言っぽいことを心の中で呟いてみた。

 そんな俺にザイオンは……これ以上の言葉は必要ないだろう。


 注意されて少し恥ずかしかったとだけ言っておく。

 

 聖杯を受け取り、始まりの村で行うべきことは全てやり終えたことになる。

 俺は借りている空き家へと戻り荷物を整理した。

 

 荷物を整理し終えた俺は転移魔法を使い帰……ろうとしたが挨拶がまだだと止められることとなる。

 

「やっぱり失礼の化身……」

 

 コーネリアに冷たい視線を送られながら再び失礼の化身扱いされた。

 反論できないのは辛いものだな。

 

 この後、長老の元へと向かい挨拶をすませる。

 だがザイオンの所にも挨拶をしに行くと言いだしたのには困った。

 

 これ以上コーネリアからの評価を下げたくない。

 だから俺も一緒にザイオンの元に向かうことにする。


 で、彼の小屋に行ってみたのだが……

 案の定、別れの挨拶を済ませたばかりなので気まずかったぞ。

 

 ザイオンと二度目の別れの挨拶を済ませたあと、ようやく転移魔法で帰れた。


~王都にて~

 

 俺達が転移魔法で飛んだのは王都にある小さな家にだ。

 始まりの村へ行くのには時間が掛ったが帰りは転移魔法一発で帰れた。

 

「着いたな」

 

 最初に口を開いたのはラゼルだった。

 特別な感慨もないような口調だ。

 

「ええ、帰りは呆気なかったわね」

 

 続いて口を開いたのはシルヴィア。

 彼女は少し笑みを浮かべている。

 

 この後、俺達は王都を回ることにした。

 だが、それぞれが別行動という形でだ。

 

 ガリウス、ラゼル、セレグは彼等が王都で借りている家へと向かった。

 シルヴィアは冒険者ギルドに顔を出すそうだ。

 イリアは学校へと向かった。

 

 この結果、俺はコーネリアと取り残される形となる。

 今の俺達の様子は『ポツーン』という擬音がしっくりくるだろう。

 

「……買い物でもして帰るか」

「そうね」

 

 家に取り残された俺達は、特にすることも無いので買い物に向かった。

 

 買い物は特別なことも無く終わる。


 あえて特別な事を挙げるのなら、行きつけの店が醤油を扱い始めたことぐらいだ。

 

 他には大した出来事は無かったと思う。


 精々、ロリエルフが大量に出没していたぐらいだ。

 あとは、そのロリエルフをシルヴィアが走りまわって捕まえていたぐらいか?

 

 コーネリアは気になっていたようだが、関わると面倒そうなので無視した。

 俺達の方にシルヴィアが涙目で近づいて来た時に逃げたのは良い思い出だ。

 

 こうして俺達の旅行は平穏に終了した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ