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凄い勇者だった俺が美少女勇者をプロデュースした件  作者: 穂麦
第5章-B 凄い勇者は勇者ギルド(仮)の拠点が欲しい
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俺は勇者ギルドの拠点が欲しい 『これで男のロマンが実現する!!』

~ケット・シー大長老宅~


「「これで男のロマンが実現する!!」」


その日、俺と大長老はガッチリと握手をした。


大長老の顔は年齢を感じさせないほどキラキラしている。

大きな仕事をやり遂げた男の顔だ。


「素晴らしい商売が出来そうです」

「いや、俺の方こそ、このような機会を貰えて感謝している」


俺達は握手をしながら目を輝かせている。

それもそのはずだ。男なら誰もが夢見るアレを完成させることができるのだから。


「我々の一族からも多くの志ある者が参加したいと言うことでしょう」

「ああ、その時はよろしく頼む」

「はい」


この日の取引は終わった。

俺と大長老が熱く語り合ったのは勇者ギルド(仮)の拠点作りに関してだ。


今回の話は、俺と大長老が男のロマンに胸をトキめかす数日前に遡る。


………

……


勇者ギルド(仮)の拠点となる候補地はいくつかあった。


どこも似たり寄ったりだった。

しかし1ヶ所だけ男心をくすぐる場所があったのだ。


大長老は気付いていなかったのだが俺は詳細を聞いて分かった。

そこが、どれほど価値ある場所かが。


俺が気付いたことを大長老に話した。

そしたら彼も瞳を輝かせたのだが……1つ気がかりな事があった。


それは本当に、その場所が俺の知っている場所なのかということ。

だから調査のために、俺はその場所に向かうことにした。



~調査開始~


俺はシルヴィアとセレグを連れて小島に着いた。


前回、ケット・シーのメダルの件でヴィショットの街を訪れたとき面倒だった。

子どもだということで街に入る審査で引っかかった。

これからも色々な面で子どもであることが足を引っ張りかねない。


だから今回はシルヴィアに行動を共にしてもらうことにしたんだ。


セレグについては男のロマンを共有するためと言っておこう。


他のメンバーはと言うと……

イリア→学校がある

コーネリア→興味が無い

ラゼル→病院で寝込んで鈍った体を鍛える

ガリウス→残ったメンバーを鍛える


以上の理由で不参加となった。



俺達は小島まで乗ってきた船から降りながら話している。


「ここを拠点にするの?」

「今のところ最有力地という所だがな」


シルヴィアには分かるまい。

この島にどれほどの価値があるかを。


俺が男のロマンに思いを馳せているとセレグが話しかけてきた。


「クレスさん。僕が来る必要があったのですか?」

「ああ、セレグならロマンを分かってくれるだろうからな」

「本当なら凄いのですが……いまいち実感が」

「実際に行ってみれば分かる」


船から降りて周囲を見渡すと遠くに半壊した城が見えた。


「懐かしいな」


俺は、あの城を知っている。

そして城の地下には男のロマンが詰まっていることも。


「あそこが目的地ね」

「そうだ」


シルヴィアは、俺と会う前は冒険者として世界中を回っていた。

だから旅慣れた雰囲気だ。


一方でセレグは旅に慣れていないため泣き出しそうになっている。

これからの道のりを想像しただけで疲れたのかもしれない。


「クレスさ~ん」

「どうした?」

「凄く遠そうですが、本当に行くんですか?」

「何度か休憩を取りながら行くから安心してくれ」


セレグは少し涙ぐみながら訴えてきた。

そんなセレグをシルヴィアは嬉しそうに見ている。


嬉しそうにしている理由はロクでもない理由だと思う。

シルヴィアのことを気にしても仕方ないので出発することにする。


「行こうか」

「「ええ」「……はい」」


俺達は、こうして遠くに見える城を目指した。


あの城は俺が倒した魔王が住んでいた場所……魔王城だ。

だが当時の俺が心を揺さぶられる程のロマンがあの城にはあった。


魔王城の名は『ラジ・アーシカ』という。

今回は、あの城が俺の知っている『ラジ・アーシカ』か確認するために来たがビンゴだった。


あとは地下にあるハズのアレが使える状態かをチェックするだけだ。


(待っていろよ男の夢)


俺は夢がかなうことを祈りつつ城へと向かった。

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