表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
凄い勇者だった俺が美少女勇者をプロデュースした件  作者: 穂麦
第5章 凄い勇者は美幼女勇者(9歳)をプロデュースする
46/207

俺は手を包んだ 『休憩中』

世界樹がそびえる神聖な森の奥。

2人の少年が向かい合うように立っていた。


黒髪の少年が、白髪の少年の手を包みこんでいる。

お互いが目を瞑り自分の手に意識を向けていた。


2人の周囲は、静寂に満たされている。

その静寂は森の雰囲気と相まって神聖さすら感じさせるものだ。

しかし白髪の少年が言葉を紡ぎ静寂は終わりを迎えた。


「クレス……」

「なんだ?」


ラゼルは、俺に話しかけてきた。


「これ、やらないといけないのか?」

「素質の開花には一番良いからな」

「でもな……」


俺は自分の手で、ラゼルの手を包みこんでいる。

イリアに行った資質開花を彼に行うためだ。


ラゼルは気まずそうに視線を右に向けた。

彼が向けた視線の先には魔法のトレーニングを行っているハズの2名がいる。


「魔法のトレーニングは終わったのか?」

「今は休憩中よ」

「うん、休憩中」


シルヴィアとコーネリアは目を輝かせて俺とラゼルを見ている。

何故か分からないが、不愉快な気持ちになる視線だ。


それにしても2人は先程から休憩時間が多すぎる。

シルヴィアは魔法に関しては超一流だから考えはあるのだろう。

だが釘は刺しておこうと思う。


「イリアを見習ったらどうだ」


イリアは一心不乱に剣を振っている。

まるで雑念を振り払うかのように……


「……イリアちゃんも大変ね」

「そうだな。イリアは勇者を目指して、人並み以上の努力をしているからな」

「そういう意味じゃないんだけど……」

「?」


今もイリアは、2人が休んでいる間にも剣を振り腕を磨いている。

一振り一振りに強い意思を感じる程の気迫だ。


「休憩が終わったら、トレーニングを始めろよ」

「分かっているわよ」


シルヴィアはウインクしながら答えた。

まあ、彼女の性格からしてトレーニングに手を抜くことは無いだろう。



シルヴィア達に釘を刺した俺はセレグの方を見た。

セレグとガリウスは通常通り組み手を行っている。


セレグは魔法を中心にトレーニングさせているが身体の強化も大切だ。

しっかりと肉体を作っておかないとイザという時に困るからな。


少しは休憩になった。

俺は素質開花のトレーニングを再開することにする。


「じゃあ、続きをするぞ」

「うっ …………分かった…」


ラゼルは諦めたかのように声を出した。


シルヴィアとコーネリアの視線がトレーニング再開と共に一層不愉快な物になる。

その理由は考えない方が良いと俺の本能が告げていた。


トレーニングの再開とともにイリアの素振りが一層激しくなった気がした。

素質開花のために頑張る俺とラゼルに刺激を受けたのかもしれない。


本当にイリアは真面目だ。

シルヴィアとコーネリアに見習って欲しいものだな。

最初からラゼルの素質は開花しつつあった。

だからイリアの時よりもは、開花には時間がかからないはずだ。


※今回、シルヴィアにそそのかされた結果、コーネリアは腐の世界を知りました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ