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凄い勇者だった俺が美少女勇者をプロデュースした件  作者: 穂麦
第4章-C 凄い勇者は勇者ギルド?を作りたい
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俺は暇つぶしに大道芸を行った 『ショータイムだ』

俺達は酒場から出た。

シルヴィアは面会ができるように調整すると言い、すぐに行動を開始する。

俺も手伝おうとしたが邪魔だと言われて置いていかれた。

顔が少し赤かった気もするが少し酔っていたのかもしれないな。


で、俺は1人で街を歩いている。

とりあえずシルヴィアとの合流は明日ということになっている。


だから明日まで暇ということだ。


俺は暇をどうやって潰すか考えて歩いた。

周囲を見渡しても芝居小屋など金のかかる娯楽施設しかない。

図書館に行けば色々な情報が手に入るだろうが、この世界の図書館は有料だ。


街に入るために支払った金額が高すぎた。

俺が雑用をして稼いだ1月分を持っていかれるほどだった。


アイテムBOXには前世で稼いだ金が入っている。

だから、この金を使えば良いのだが、勇者を育てるためだけに使おうと思う。

……少しは無駄遣いするかもしれないが。



このようなことを考えて俺が街を歩いていると開けた場所に出た。

足元は石畳となっており大道芸を行っている人間が多くいる。


(こういう稼ぎ方もあるな)


俺はパフォーマンスを終えたらしく片づけている青年に声をかけた。


「ここで、何かをするのなら許可は必要なのでしょうか?」

「他の人の邪魔をしないのなら自由にパフォーマンスを行えますよ」

「そうですか、ありがとうございます」

「何か行うのでしたら、僕が使っていたこの場所を使って下さい」

「よろしいのですか?」

「どうぞ」

「ありがとうございます」


俺は全力で愛想を振りまき礼を言った。

初めて会った人間には敬語を使う……前世では欠落していた知識だ。


※前世では92歳まで敬語無しで生きた


俺は慣れない敬語をギコチなく使いながらも自分の成長を感じていた。

8歳児だから成長しないと困るとかのツッコミは気にせず……



~広場にて~


俺は大道芸の準備を始めた。

せめて宿賃ぐらいは稼ごうと決意をして。


俺はアイテムBOXから以下のアイテムを取り出した。

1.ピエロの仮面(前世で地獄の道化師と呼ばれた殺人鬼から強奪した)

2.派手な子どもサイズの服(母親のお土産……なぜか禍々しい魔力を感じる)

3.レイヴンソード×9(魔力を通すと宙を自在に舞う剣)


俺はさっそく、これらに木陰で着替えた。

幻術魔法を使い周囲に見えないようにしながら……

なんかスースーして恥ずかしかった。


俺は準備を終えると、魔法で高く跳び盛大に宙で一回転をして着地した。

これだけで周囲に気付く人間が現れる。


そして右手を腹に当て、左手を開きながら深くお辞儀をした。

派手な衣装に俺の背後に浮く9本の剣……観客はどよめいている。


(出だしは上手く行ったな)


俺は頭を深く下げた状態で出だしが上手く行ったと感じていた。


(ショータイムだ!!)


俺は頭の中で、日常で口に出したら恥ずかしい言葉を言いながら演技を始める。

その演技は……省略だ。


※演技の内容

レイブンソードを宙に舞わせて飛び乗ったり魔法で7色に輝かせたりして最後に使い魔の獅子を召喚した。


俺が帽子をアイテムBOXから取り出して足元に置くと大量の金が投げ込まれた。

俺の演技は称賛され……世界的パフォーマー クレス誕生!!は、しなかったが。



やはり金持ちの街だけあって、大道芸などは結構な額を稼げるようだ。

俺は懐が温かくなったのを感じると着替えて来た道を戻った。


いつの間にか白く輝いていた太陽はは赤い夕日へと変わっている。

薄暗くなった街路はランプのような物で明かりが灯されていた。

おそらくランプのような物は魔道具だろう。


明日シルヴィアと合流するのは『酒場 パミラ』だ。

だから俺は『酒場 パミラ』に近い『南天の果実』という宿屋で部屋をとった。



~酒場 パミラ近くの宿 クレスの部屋~


(少し早く帰りすぎた)


俺は暇だった。

既に日は暮れているが、まだ寝寝るには早い。


(18時か……)


俺が8歳のお子様だといってもさすがに眠れる時間ではない。

なにか暇つぶしはないかと思い周囲を見渡すも娯楽など用意されてはいなかった。


俺はベットの上で横になりゴロゴロしてみる。

ふむ、やはり暇だ。


ベットでゴロゴロするのが飽きた俺は壁に両手をひろげ張り付いてみた。

冷たくて気持ちいい……が、暇だ。


俺が暇を持て余して、変な行動をとっていると通話石に連絡が入った。

通話石は長方形でス○ホのような形をしている。


ちなみに俺のは水色だ。


※通話石

ぶっちゃけ形がス○ートホン(電話としての機能のみ)


俺はシルヴィアと連絡をとるために酒場を出るときに通話石を渡しておいた。

この世界でも珍しいアイテムだから驚いていたが遠慮の一言も無く受け取った。


「クレス?」

「シルヴィアか?」


やはりというか連絡を寄こしたのはシルヴィアだった。


「通話石は上手く使えたか?」

「え、ええ」


たぶん、初通話石ということで緊張しているのだろう。

声が上ずっている。


「ケット・シーの件か?」

「そう。少し急なんだけど明日なら会えるそうよ」

「早い方が助かる」

「なら、いいんだけど。細かい説明をしたいから今から会えない?」

「パミラ……が良いんでしょうけど、子どもを出歩かせるわけにはいかないわね」

「そうだな。俺はかよわいからな」

「………まあ、いいんだけど」


シルヴィアはツッコミを入れてくれなかった。

何かを諦めた声に寂しさを感じたのは気のせいだろうか?


「今、どこにいるの?」

「『南天の果実』という宿屋だ」

「へ~ 結構いい宿ね」

「知っているのか?」

「料理……特に鶏を使った料理がおいしいから何度か利用したことがあるわ」

「そうか(俺も食べてみたいが値段次第だな)」

「じゃあ、私も同じ宿に泊まるから、その宿の食堂で待ち合わせましょ」

「分かった」

「私のいるところからなら、10分ぐらいで着くと思うわ」

「ああ」


俺は一階の食堂へと向かった。

ショートストーリーのハズが4000文字を超えてしまったので2回に分けて投稿します。

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