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凄い勇者だった俺が美少女勇者をプロデュースした件  作者: 穂麦
第1章 凄い勇者は美幼女勇者をスカウトする
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俺は美少女勇者(候補)に目を付けた 『イタズラしたくなるよね』

※2015/04/07加筆修正しました

 俺は勇者の卵として1人の少女に目を付けた。

 彼女はイリア・フォーエンス。

 

 ある貴族のご令嬢だ。

 

 白金の髪に蒼い瞳で白い肌の6歳。

 日々、剣の腕を磨いている。


 もし勇者となれば容姿と剣の腕で名を馳せるだろう。


 しかしイリアは両親に期待されていないようで師をつける金をケチられている。

 身を守るために必要な基本的な剣術は、兄と共に学ばされた。

 だが、しばらく経つとイリアは外されることになる。


 少数に教える方がやりやすいからな。

 イリアの両親は教師に、兄2人に剣術を教えることに専念するように命じたんだ。

 このため師がいたのは最初だけで、今は独学で剣を学んでいる。

 


 

 この状況は問題があるだろう。

 問題というのは、勇者の素質が開花する可能性は低いということだ。

 運が良ければ、意図せずとも素質が開花することもあるが可能性は低いだろう。


 このままだと、勇者の素質を持ちながら政治利用されて終わりかねない。

 

 まあ、このまま生きるか勇者を目指すかは本人次第だが──

 とりあえずイリアと接触し意思を確認しようと思う。

 

 

 と、いうわけで俺はイリアを森で迷わせている。

 どうして、そんな酷いことをするかって?

 

 別にロリ少女を泣かせて喜ぶ趣味があるわけではない。

 むしろ喜ばせたい──もちろん変態的な意味ではないぞ。

 

 俺が彼女を迷わせたのは彼女と話をしたかったというのが理由だ。

 さすがに貴族のご令嬢だけあって一般庶民の俺では話す機会がない。

 そこで、実力行使をすることにしたんだ。

 

 

 今日、彼女は父親と兄2人と護衛付きで狩りに来た。

 しかし護衛の後ろをイリアが歩く形で森を進んでいる。


 イリアは後ろを歩いているため、護衛の目には映らない。

 このことから、護衛はイリアを守る気はないことがわかる。

 今回の狩りでイリアは、小間使い代わりに連れてこられたのかもしれないな。

 

 そこで、この機会を利用して彼女との接触を計ろうというわけだ。


 まず、森の中腹程度に入った時点でアイテムを使い霧を発生させてみた。

 さらに幻覚魔法も行使して、悪役よろしくな感じでイリアの分断に成功した。

 

 今、彼女は俺が見下ろす先で迷子になっている。

 剣を握る手には過剰な力が入った様子は不安感を表しているかのようだ。

 

 *

 

 なんかイタズラしたくならないか?


 美少女というか美幼女が不安げにしていると──。

 少し驚かせたくなるというか──。

 

(ちょっとだけなら、いいよな?)

 

 俺はイリアの歩いている場所に最も近い木に移動する。

 そのとき、木を飛び移って移動したので木がバサバサと音を立てた。

 

「!!」

 

 イリアが剣を強く持ち音を立てた方向を見る。

 だが、そこにはすでに俺はいない。


「……」

 

 イリアは警戒を緩めず周囲を見回す。

 そして異常が無いことを確認すると再び歩き始めた。

 

 緊張しているせいか、手足の動きはぎこちない。

 俺の中でイケナイいたずら心が芽生えそうなほどに──。


(少しだけなら……)


 イリアが俺が見下ろしている木の下を通ろうとしたとき──。 

 俺は水魔法で水滴を作り、イリアの頭上からポツ~ンと一滴。

 

「キャッ!」

 

 涙目になったイリアは、水滴が落ちた木を見上げるがすでに俺はいない。


 と、そこで草をかき分ける音が彼女の耳に入る。 

 ビクッと鋭い反応をし音のした方をイリアが見ると──


 不吉なドクロの仮面を付けた何者かが、視線の先に立っていた。

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