俺は美幼女魔王な義妹にご褒美を与えた 『お姉さまの!』
俺には『勇者な弟子』と『魔王な義妹』がいる。
最近は勇者な弟子であるイリアにはあっていない。
別に嫌われたわけではなく時間の都合で会えなくなったんだ。
イリアの方は近々、学校に行く。
その時になれば会う時間が出来るはずだ。
で、魔王な義妹の方はコーネリアといい一緒に住んでいる。
一緒に住み始めた頃、精神的ショックで2日程寝込んだが今は元気だ。
コーネリアには素質を抑える魔法を覚えさせたい。
魔王の素質が解放されても自分で抑えられるようにしたいからな。
だからコーネリアに魔法を教えようと思っている。
これまで俺は勇者をプロデュースしていた。
これからは魔王の反プロデュースも行うことになる。
魔王にしないためだから反と付くわけだ。
~自宅にて~
「コーネリア、お前にかけた魔法を覚える気はないか?」
「『お前』なんて言われたくありませんが、魔法は覚えたいですね」
俺の言っている魔法とは素質を隠す魔法だ。
開花した素質を鎮静化させて隠すから素質の影響を封じられる。
それにしても『お前』と言われるのは嫌なのか。
「君にかけた魔法は、かなり難しい」
「気持ち悪いです!!」
「『お前』と言われるのが嫌だというから『君』にしたんだが……気持ち悪いのか?」
「凄く!やっぱり『お前』でいいです」
そこまで酷いのか。なんかショックを受けたぞ。
まあいい。話を戻そう。
「コーネリア、俺の使った魔法は、かなり難しい」
「ええ」
「だから修業が必要になるぞ」
「でも必要な事ですよね」
「ああ、魔法が解けた時、自分でかけ直せるからな」
「そうですよね。よろしくお願いします」
俺から魔法を学ぶことは了承してくれた。
少しヤル気が出るようにご褒美を与えておくか……
「魔法を勉強する気になった義妹にご褒美をあげよう」
「いえ、自分のためですから」
「まあ、そういうな。母さんが使っていたリボンだ」
「!!!お、お、お姉さまの!!!!!!」
やはり、凄い喰いつきだ。
気持ちを確かめるための、ご褒美でもあったのだが……ここまでとはな。
「ああ、少し前に貰ってな」
「……なんで頂いたのですか?」
コーネリアはリボンをチラチラ見ながら俺に質問した。
凄く欲しそうなのだが、本当に母さんのリボンなのか疑問なんだろう。
「俺の髪の毛は少し長めだろ」
「……確かに長いかもしれませんね」
俺の髪は長い。と、いっても女性のショートカット程の長さもないが。
「少し前は、目にかかる程度に長くてな」
「ハァ」
「後で髪を切るから、それまでハチマキ代わりに使っておけと渡された」
「……使っちゃったんですか」
コーネリアは凄く残念そうにつぶやいている。
心なしか表情が曇ったようにすら感じた。
「いや、すぐ自分で前髪を切って恥ずかしいことになった」
「じゃあ♪」
「ああ、全く使うことなく忘れて放置していた」
「じゃあ、じゃあ♪」
「俺は全く使っていない。使ったのは母さんだけだ」
そう言ってコーネリアに母さんが使っていた黒いリボンを渡した。
「頂いていいんですよね!絶対に返しませんよ!!」
「返されても困るからな」
「ええ、ええ、ありがとうございます」
コーネリアは凄く嬉しそうで渡して良かったと感じる。
だが義妹がヤバい道を突き進むのを加速させた気がしなくもない。
………
……
…
コーネリアは渡したリボンを持って自分の部屋へ行った。
たぶん、見てニヤニヤしたり頬ずりしたりしているのだろう。
義妹が母親にか……少し複雑な気持ちもあったが忘れた方がいいだろう。
コーネリアの母へ感情は『尊敬』です(少し病的ですが)
クレスは前世と今世で約100歳ですが恋愛感情に鈍かったため勘違いしています。




