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凄い勇者だった俺が美少女勇者をプロデュースした件  作者: 穂麦
第3章-A 凄い勇者に美幼女で魔王な義妹が出来た
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俺の美幼女な妹から魔王要素を取り外した 『覚悟はいいか』

俺はコーネリアの素質を探った。

その結果、コーネリアは『魔王の素質』を持っていることが分かった。


「魔王の素質……か」

「ああ、その素質を抑える必要があったんだ」


俺は父さんと話している。

コーネリアがいた、この場所は魔王の素質を抑えられる場所のようだ。


魔王の素質は人間にとって災厄でしかない。

モンスターを強め、モンスターを生じさせる。

それに魔王の素質の開花が進むと人間を辞めることになる。



「コーネリアは知り合いの子でな。ソイツに守ると約束したんだ」

「?」

「だが、ニーナが魔王の素質を見抜いてからな……」

「…………」

「それから、ずっとココに閉じ込めたままになっている」


父さんは悔しそうな表情で話している。

コーネリアの親というのは大切な人間なんだろう。


そんな父さんの横には母さんがいる。


父さんの言ったニーナというのは母さんの名前だ。

母さんには素質を見抜く能力があるということか。


うん?と、いうことは……


「母さん、俺の素質について知っていたんじゃないのか?」

「ええ、大きな素質を持っていたのを覚えているわ」


やはりバレていたか。


「クレスも考えがあって、素質を隠したんでしょ」

「まあな」

「だからわたしたちは何も言わないようにしたの」


母さんの言葉に親の心を知った。

新婚旅行に行きまくり子どもを置き去りにするだけの親ではなかったのか。


「旅行に忙しくて忘れていたというのもあるけど」


それは聞きたくなかったぞ。



「お前が素質を隠したことは、気付かないフリをしておきたかったんだが」

「?」


父さんは頭を掻き、言いにくそうにしながらも話を続けていく。


「俺らもコーネリアの素質を封印しようとして調べたが、他に手がなくてな」

「そうか」


俺が使った勇者の素質を隠す魔法は72歳の頃に完成させた。

自分で魔法を作ったのは他に素質を封印する術がなかったからだ。

父さん達が素質封印の方法を見つけられなくても不思議ではない。


「それでな、お前が素質を封じた魔法で何とか出来ないかと思ったんだ」

「魔王の素質には試したことがない。それに自分以外に使ったことは無いぞ」

「他に手がなくてな。アイテムでも素質は封じることも出来ないしな」


確かに俺の勇者コレクションにも素質を永続的に封じられる物は無い。

一時的に封じられるアイテムはあるが一時的な効果では役に立たないな。


「それと、俺の魔法は素質を隠すのであり封印するわけではないぞ」

「そうか。素質の開花は抑えられないのか?」

「開花した素質は活性化した状態と言える」

「…………」

「俺の術は活性化した素質を鎮める物だから大丈夫なはずだ」

「そうか」

「もっとも、術を掛けられた本人であれば簡単に術を解けるが」

「…………」


父さんはアゴに手を当て少し考える。

だが少し考えたあと口を開いた。


「コーネリアの意思を聞きたいんだが」

「私?……私は」

「コーネリア、お前はどうしたい?」

「私は……」


コーネリアは魔王の素質の影響を出さないためにココにいる。

素質の影響がある限りダンジョンの奥で一生を過ごすことになりかねない。

だから最初から答えは決まっている。


だが、答えは決まっていても自らの意思で決めたという形にする必要がある。

後で自分の人生への覚悟に違いが出てくるからな。


「クレス、私の素質を封じて下さい」


コーネリアは既に覚悟を決めていたのだろう。

俺の術を受けることを選んだ。


………

……


俺は自らの素質を封じた魔法を使う。

俺は魔方陣を描きコーネリアを、その中心に立たせた。


そして魔法の影響に入る。


「コーネリア、覚悟はいいか?」

「ええ」

「クレス~頑張れ~」

「クレス~カッコいいぞ~」


俺の両親は運動会のノリで俺を応援している。

恥ずかしいから本気でやめて欲しい思う。


「我が求めしは生来せいらい宝物ほうもつを縛り付けし鎖」

  -魔方陣から強い光が放たれ始める

「その宝物への鎖は己への戒め」

  -魔方陣から放たれる光が6つの鎖へとなる

「魂に刻まれし宝物に絡まり封じよ」

  -全ての光の鎖がコーネリアを貫く

「天の理、人の宿命をも繋ぎ止めし理の鎖よ」

  -魔方陣と鎖の光が一気に膨張した。


そして部屋を包んでいた光は少しずつ弱まっていった。


「どうだ?」

「成功したみたいね」


父さんと母さんが話している通りだ。


俺もコーネリアの素質を見てみるが魔王の素質を見ることは出来ない。

術が成功したようだ。


………

……


「クレス、ありがとうございました」

「ああ、気にするな」


俺とコーネリアが会話している横で……


「俺に娘が出来るのか~」

「可愛いよね~」


コーネリアとの未来に想像を膨らませていた。


新婚旅行に行きまくって俺とコーネリアが置き去りにされる。

俺には、そんな未来しか見えなかったが……

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