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凄い勇者だった俺が美少女勇者をプロデュースした件  作者: 穂麦
第6章-B 凄い勇者の騎士学校受験
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俺はイノシシ肉加工の手伝いをした 『そんなの捨てなさいよ!』

 宿屋で一晩を明かし再び森へと向かった。

 試験合格のために5匹目のビッグボアを倒して魔核石を手に入れるためだ。

 

 しかし森でビッグボアを探すも発見できず。

 そこで山に移動してビッグボアを探すと発見することができた。

 

 実際には俺が魔力探知を行い、ビッグボアの所まで誘導したんだが──

 俺の功績だと自慢できないのが辛かった。


 ~山にて~

 

「これで5匹目だな」

 

 そう言いながら、ビッグボアから槍を引き抜くフェルは得意げな顔をしている。

 

 まあ、自分の体よりも遥かに大きなモンスターを倒したんだ。

 得意げな顔をしたくなる気持ちは俺にも分かる。

 

「じゃあ、解体をしましょう」

 

 ナイフを抜いたブリッドがビッグボアに近づいていく。

 

「もう少し大物を仕留めた余韻よいんに浸らせてもらえないか?」

「肉が傷んじゃうからね。そうも言ってられないのよ」

 

 ブリッドの言葉にしぶしぶ従うフェル。

 すでにパーティでの上下関係が出来上がっているようだ。

 

「俺も手伝う」

「じゃあ、そっち……を?」

 

 俺は解体用のナイフをアイテムBOXからこっそりと取り出した。

 そのナイフを見て何故かブリッドが凍りついた。

 

「どうした?」

 

 ブリッドは俺が手にしたナイフから全く目を離さない。

 さすが勇者コレクションの1つ。ブリッドの目も釘付けだ!

 

「それ…………なに?」

「ナイフ」

「そうじゃなくて、見ているだけで寒気がするんだけど」

 

 どうやら俺の予想とは違う理由で釘付けだったようだ。

 

「普通だろ」

「絶対、普通じゃないから! 呪われているんじゃないの?! それ!」

「そんなわけないじゃないか。なあ、フェル」

 

 とりあえず、 心の友フェルに話を振ってごまかそうとしたが──。

 

「…………」

 

 若干涙目になりながら、彼は首を横に振っていた。

 どうやらフェルもナイフに興味があるようだ。

 

いわくがあるのあるのなら教えてもらえないかな?」

「そんなに興味があるのか」

 

 先程から全員の視線がナイフに向けられている。

 

「村の人間を全て喰い尽した悪魔を焼き殺した跡に残っていたらしいぞ」

「……そのナイフを持った人が誰かを刺したっていうことはない?」

「聞いたことはないな」

「本当に?」

 

 そもそも悪魔を焼き殺したのは俺だからな。

 俺以外が持つことなんて──。

 

「そういえば」

「なにかあったの!?」

「いや、これはどうでもいい話だな」

 

 アイツも疲れていたし、そのせいだろう。

 

「どうでもいいかは私たちが決めるから話しなさい!」

「お、おう」

 

 ブリッドは何故か必死だ。

 ビッグボアの血が付いた手で俺の襟元を掴むのはやめて欲しい。

 

「料理をするって言っていたヤツに、貸したことがあるんだがな……」

「「「…………」」」

 

 全員が俺に注目している──気恥ずかしい。

 

「その日の夜、笑いながらナイフを振り回していた」

「絶対、呪われているじゃない!」

 

 そう言うと、大きく跳び退いて俺からブリッドは離れた。

 ついでに他の2人も。

 

「そんなの捨てなさいよ!」

「コイツは小ぶりな上に切れ味が良いから、料理で大活躍なんだぞ」

 

 コイツは肉や野菜を切るのに便利なんだ。

 魔物の首もサクッとやれるし。

 

「……まさか」

 

 マルテの表情が凍りついた。

 俺を見る目に、尋常ではなく強い意思が込められている。

 

「どうした?」

「昨日の昼食を作るとき、魚はアナタが切りましたよね」

「まさか」

 

 マルテの言葉に、今度はフェルの表情が凍りついた。

 こちらはマルテと違い、魂が抜けたかのように何かが抜けた感じがする。

 

「……昨日使ったのは、そのナイフですか?」

 

 マルテは凄く良い笑顔だった。

 彼女の笑みに応えるべく俺も笑みを返し──。

 

「ああ、外で料理を作る時はコイツ以外は使っていないからな」

「!!…………」

「…………」

「…………」

 

「どわっ!」

 

 しばらく沈黙が続いたあと、突如として3人は俺に攻撃をしかけてきた。

 全員して魔法を使ったり物を投げたり酷いヤツらだな。

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