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凄い勇者だった俺が美少女勇者をプロデュースした件  作者: 穂麦
第0章 凄い勇者は普通を望んだ
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俺は普通を希望する 『平穏な生活こそが宝なんだ』

※2017/08/03大幅な修正をしました

 勇者経験43回。

 自分でもバカげた経歴を持っていると思う。

 いや、"持っていた"と、いうべきか。

 

 藪雨やぶさめ すばる

 これが、かつての俺の名前。


 ご想像の通り、転生というものをして別の人生を歩むことになった。


 昴として行った勇者活動は43回。

 しかも全ての活動が、勇者の召喚によるものだ。


 勇者の召喚につきものなのがチート。

 本来はゲームデータの違法改造から始まり、ズルをしたとか性能が高すぎるだとか、そういった意味で使われるようになった言葉。


 今回の場合は、反則級の能力と訳せばいいだろう。

 勇者召喚されるたびに、俺のチートやらなんやらが増えて行った。

 ついでに勇者業の旅をしながら得た能力も上乗せされていく。


 最初の勇者召喚で戦ったのは魔王。

 死力を尽くしても届かないほど、魔王は強かった。

 それでも運が味方をしてくれて、何とか勝てた。


 それからも勇者として召喚されるたびに、必ず強大な何かと戦う羽目になった。


 いずれも強大な敵であり、手を抜くなんていう事はできるはずがない。

 そのハズだったんだ。


 でもな、5回目の召喚辺りから違和感が出始めた。


 なんて言えばいいのだろう?

 相手が小さく見えるようになったっていうか、仕事が楽になったんだ。


 さらに戦い続けて、10回目を少し超えた辺りだろうか?

 魔王を片手間で倒してしまった。


 さらに戦い続けて、20回目にならない頃だと思う。

 魔王が剣の一振りで真っ二つになった。

 それも初撃でだ。


 微妙な空気が流れたのを覚えている。

 あれは嫌な空気だった。


 それからも勇者召喚が続いた。

 だが、戦いというのは虚しいものだ。


 いつしか俺は暴力はなしあいで戦いを終わらせるようになっていた。

 平和的にな。


 そういえば、何度か神や破壊神やらとも戦った記憶がある。

 あいつらも暴力せっとくに快く応じてくれたっけ。


 そんな勇者召喚まみれの人生だったが、自宅で大往生することができた。

 確か御歳92歳だったか。


 ちなみに生活費は、勇者召喚されるたびに増える財宝。

 かなり裕福な暮らしができた。


 で、大往生のあと気付いたら生まれ変わっていたというわけだ。


 なぜ転生などしたのだろうか?

 少なくとも前世では転生をしたヤツなど少ししか知らない。

 そいつらは、人間以外か人間を止めたヤツだった。


 俺、人間だよな?


 少し不安を感じるが、親を見る限り鱗もなければ変な羽も生えていない。

 だから、たぶん人間だ。

 そう信じたい。


 話を戻そう。


 転生しただけなら普通に生きられたはずだ。

 だが、なぜか昴だった頃の能力を持っていた。

 

 召喚されるたびに増えたチート。

 旅の中で鍛えられた能力。

 異世界を渡り歩く中で得た様々なアイテム。

 その他、、魔法やらなんやら。


 など、なんか凄いことになっているのが転生した俺である。


 あの苦労が無駄にならなかったのを喜ぶべきか?

 それとも、生まれつき色々な物を背負って嘆くべきか?


 いや、分かっている。

 本来は喜ぶべき事なのだと。


 だがな。

 俺は前世で悟ったのだ。

 平穏な生活こそが宝なのだと。


 しかし、こんなデタラメな事になっている俺が平穏に生きられるはずがない!


 そこで俺は考えた。

 この何とも言い難い状況を打破する術を。

 知恵熱に何度も襲われたがそれでも考えた。


 そして遂に答えが出た。

 最高の勇者を育て上げて、責任を押し付けるのが一番ではないかと!


 能力を使わなければ、俺の存在を神から隠せるはずだ。


 こっそりと動くとしよう。

 最高の勇者を育てるために。


 そのためには、まず勇者の素質を持った者を探さねばならなかい。

 だが、すぐに候補者は見つかった。


 それは、ある貴族の少女。

 都合の良いことにソイツの胸には勇者への憧れがくすぶった状態だ。

 ほんの少し焚き付けてやるだけで動いてくれることだろう。


 待っていろよ。

 俺が最高の勇者に育ててやる。


 頑張ってくれ、俺が平穏を得るために!!!

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