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孤高の塵人  作者: dy冷凍
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五十六章

魔術至高の激しい生徒に嫌気を覚えながらも授業を進めるシュウト。

授業を進めるのは難しいと思いながらも授業を終えた。

 あの後職員室に戻るとやけに畏まった女性に事務作業を教えて貰うことになった。元帥が変なことでも吹き込んだのか、周りの先生は緊張半分恐れ半分と言ったところか。まぁ子供と思われるよりはいいかもしれないが何か嫌だ。

 

 

「全てが終わったらここに名前と時刻を書いて終わりです」

「はい、分かりました」

 

 

 ノートに事務作業の流れを書き込んだ後に女性へお礼を行ってから退室する。時刻は午後5時でもう夕日が傾きかけている。取り敢えず小等部の寮に行ってインカに会いにいかないと。

 

 正直な話、インカに合わす顔が無い。サンドラにいた頃も自分に余裕が無かったため色々と放りっぱなしだったし、街を挙げてのスコーピオン退治の時もインカのことを忘れて帰りを遅くした。今振り返ると俺はとんでもない奴に思える。

 

 インカが学校で上手くやっているようなら、お金だけ預けて帰った方がいいだろう。……もし虐められていたりしたら16歳になるまで一緒に旅へ連れていくか?

 

 そんなことを考えつつも足に風を纏わせて地図を見ながら地面をスイーッと移動し、クリーム色の真ん丸な小等部の寮の前に着くとやんちゃな声が聞こえてきた。

 

 壁をよじ登って校庭らしきところを覗くと、もう夕日が沈みかけているのにボールを蹴って遊んでいる子供達。その中に赤黒い髪が特徴的なインカが混じっていた。少し背は伸びて髪もショートになっている。

 

 インカは本当に楽しそうに遊んでいた。これなら俺の出番はないかと思いながら夕日が沈んだ空を見上げてため息を吐き、その場から立ち去った。

 

 

(つまんない)

 

 

 剣の物言いに少し違和感を感じながらも俺は学校を出て宿屋で食事を取って仮眠を取った。

 

 

 ――▽▽――

 

 

 二時間の睡眠で頭はさっぱりしたのでまだ太陽が隠れている間に荷物をまとめて宿屋を出る。街の通りは静まり返っている。灰色のローブを少し整えながらも外へ出るため門へ向かう。

 

 他の街に比べると人通りは少ない。まぁ学生が主な街だから当たり前か。他の街だとこの時間帯は危ない兄ちゃん達が徘徊してるからな。絡まれないようにコソコソ行かなきゃ行けなかった事を考えるとこの街は平和だなぁ。

 

 門に着いたので異次元袋を預けて両手を上げて門番のチェックを受けた後に野原へ出る。ここ一帯に出る魔物は大体把握している。スライム、ゴブリン、コボルドだ。稀に上位種も出る。

 

 スライムはその名の通りスライムだ。バスケットボールくらいの大きさで基本は円形。緑色で身体の中心には核があり、それを破壊されると萎んで少ししたら消える。

 

 スライムの攻撃は飛びかかってくるだけだ。一匹だけなら子供でも倒せる相手だが、スライム相手に命を落とす冒険者はそれなりにいる。スライムは基本的に群れて行動しているのでたかがスライムと侮っていたらいつの間にか囲まれ、身体をスライムに包まれて窒息死、なんてのはザラにある。

 

 だがここのスライムは何故か群れないので余程油断しない限りは大丈夫だ。稀にビッグスライムが出るが特徴はほぼ同じ。特に心配する必要はないだろう。

 

 ゴブリンは緑色で醜い顔が特徴的な魔物だ。豚の鼻を潰したような顔とでも言えばいいのか? まぁとにかく醜い魔物で学生からも嫌われている。

 

 体格は人間の子供くらい。身体能力は高校生くらいかな? 主に群れで行動していて大体何処にでもいる。火山や雪山とかには流石にいないが、繁殖力が凄まじいのでいつもギルドに依頼がある。

 

 ゴブリンの精子は相手がメスで生殖器を持っていれば必ず受精させることが出来るらしい。リザードマン、スコーピオン、勿論人間もだ。だから繁殖率が非常に高く、忌み嫌われている。

 

 戦闘能力はスライムよりは強い。棍棒か人の武器を持っているが基本的に武器を振り回すだけなので弱い。スライムと同じく囲まれたりしなければ問題は無い。

 

 コボルドは顔は犬、体は人間の獣人に近い魔物だ。ゴブリンより力強く、統率も取れている。強いコボルドは身体に体毛が生えていることが多く、大体そいつがリーダーで他の奴らよりは強い。

 

 武器の取り回しはゴブリンと一緒だが繁殖力は普通だ。それとコボルドは人間と少しだけコミュニケーションを取れる奴が多い。

 

 というか魔物の最上位種は大体人間とコミュニケーションが取れる。スコーピオンにリザードマン。スライムもそうだ。魔物最上位種と亜人の違いは今のところわからないが、絶対に関係はある気がする。クイーンスコーピオンの発言も少し怪しかったし。

 

 さて、ここまで魔物について説明をしたのは勿論理由がある。それは……。

 

 

「……弱すぎ」

 

 

 魔物が弱すぎて暇だったのだ。スライムは単体で出てくるから話にならないし、ゴブリンはほとんどは寝ている。コボルドは夜行性の奴がいるがこいつも弱すぎる。準備体操にもなりゃしない。

 

 

(しょうがない……。次回からはバイクで少し遠出でもするか)

 

 

 時々出るコボルドを倒しながらアグネスに帰って授業の準備をして暇を潰した。

お待たせしました。無事受験も終わったので更新再開です。

今回はリハビリのため文字は少なめ。今までの話を推敲しようとも思いますが完結させてからやろうと思います。


これからもお付き合いいただければ幸いです。

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