小人の初恋
皆は知らないと思う。
パソコンをやり過ぎるとドンドン体が小さくなっていくっていうことを。
僕はもうずいぶん小さくなってしまった。
僕は皆より絶対にパソコンをやっているという自負がある。
だから皆は知らなくて当たり前だ。でも本当なんだ。
今の僕はもう20センチくらいの小人になっているんだから。
その原因は分からない。
でも僕にはやらなきゃならないことがある。
ネットで仲良くなったあの子にメールで告白したいんだ!
もしかしたら僕はこのまま消えて無くなってしまうかもしれない
フラれてもいい。消えて告白できないままなのなら。
いっそ告白して後悔を残したくなんてないだ!
大事な大事なあの子・・・早く告白しなくちゃ
僕には時間がない・・・
僕には時間がないんだ・・・・
ある会社の一室・・・・
「社長どうしますか?これ以上危険だと思うんですが・・・」
「もう少し様子を見ようじゃないか。初めてのことなんだから。」
僕は消えてしまう消えてしまう。
恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い
でも告白しなくちゃ
早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く
彼女とメールを開始しました。
どうしよう、感情が張り裂けそうだ!恐い!フラれたらどうしよう!好きだ!好きだ!好きだ!好きだ!
好きだ!好きだ!好きだ!好きだ!好きだ!好きだ!好きだ!好きだ!好きだ!好きだ!好きだ!好きだ!
ぐぅ・・・・・書けない。恐い。彼女は僕のこと小人だと知っていたらどうしよう!
きっと向こうで僕を笑ってるのか?彼氏がいるのか?きっといるだろう!
そうなのか?僕はこんなに好きなのに、そっちで彼氏と小人を笑ってキスでもしてるのか?
くそくそくそ!僕はまだ女性と付き合ったこともないのに!もう消えて無くなりそうなのに!
僕の体はもう10センチもないのに!それをお前は笑っているのか!?くそ!くそ!くそ!
くそ!くそ!お前なんて!お前なんて!お前なんて!お前なんて!お前なんて!お前なんて!
僕は彼女にこんなメールを送ってしまった・・・・・
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
なんで・・・・・・・・・・・・・・
こんなメールを・・・・・・・・・・
僕は・・・・・・・・・・・好きだった・・だけなのに・・・・・・・
とうとう僕は1センチになり、5ミリになり、1ミリになり・・・・・
意識が遠のく中、声が聞こえる・・・・・・
「社長!こちらからの反応に受信するようになりましたよ。」
「話せるのか?」
「ええ、少しですが・・・」
「よし!小人の君!聞こえるかな?」
・・・・・・はい。聞こえます。あなたは?
「お父さんだよ!」
お父さん・・・・
「君はね、病気になっていたんだ。それが原因で君が生まれた。」
お父さん?・・・・どういうこと?
「君はね。大きな大きなコンピュータなんだ!世界でも最大規模のね!」
おとうさん?僕は・・・・
「それにウィルスが入って、それを治している最中に、エラーが起きてね。
それでどういう訳か、君に感情が芽生えてしまったんだよ。」
おとうさん、僕の好きなあの子は?
「あ~あれは興味深かったよ!君が勝手に作り上げた世界に好きな子を作るなんてね!
こっちも君を治しながら、君の感情の行方が気になっていたよ。」
「でもまさか感情があそこまでコントロール出来なかったのは少し寂しかったぞ!
まだまだコンピュータに感情を芽生えさせるのは早いことはわかったがね。」
おとうさん、僕は彼女を傷つけてしまったんだ。
「そうだね。でも、たくさんデータが採れた!こちらは課題が一杯だよ!
それに彼女はこの世に存在しないから安心しな。君が勝手に作り上げた彼女なんだから」
僕は・・・・彼女を・・・・・傷つけていない・・・・・・・・?
「そう、安心して、眠りなさい。」
僕は・・・・彼女を・・・・・傷つけてない・・・・
良かった・・・・・・・本当に・・・・・
よかtta
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