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第27話 接触プロトコル起動中
施設内部。
無人のロビー。
埃をかぶった床に、レイカの足音だけが響いていた。
そのとき――
壁の一角に埋め込まれた古びた端末が、突如として起動する。
ピッ……
低く、電子音が鳴る。
画面が明滅し、緑の文字が浮かび上がった。
状態:記録開始
優先プロセス:接触プロトコル――準備中
生存状態:確認
レイカは立ち止まる。
その表示を見つめる目に、わずかな緊張が走った。
「……やっぱり、見てるのね」
画面の下部には、“記録開始”の文字が点滅していた。
まるで、彼女の一挙手一投足が、今この瞬間から“記録される”かのように。




