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第25話 赤いランプ
レイカが近づくと、施設外壁の一角に埋め込まれたセンサーが反応した。
赤いランプが点滅し、警告音もなく、ただ静かに光を放っていた。
まるで、誰かがこちらの視線に応えたかのように。
彼女がバイクを止め、視線を向けたその瞬間――
赤が、緑に変わった。
カチリ。
乾いた音とともに、外壁の接合部がわずかに震える。
誰かが“入っていい”と判断したかのように。
「……開けたのは、誰?」
レイカが呟くと同時に、
外壁がゆっくりと左右に割れはじめた。
中から漏れ出すのは、腐臭と焼けた電子のにおい。
そして、誰もいないはずの施設の奥から、
照明が一つずつ、順に点灯していく。
ピッ……ピッ……ピッ……
彼女の到着を想定していたとでもいうように。




