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異世界転生 冒険者になるので探さないで下さい  作者: みえだ
第1章 『風』と『翼』の出会い
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風と翼の出会い




「えへへ、ありがと!助かっちゃった」


 両手の爪でリンゴを器用に持ちシャクシャクと音を立てて食べ笑顔を見せながらお礼を言うハーピーの少女。

 艶のある明るい緑色の髪をポニーテール調に纏め切れ長で金色の瞳に美形な容姿は一見クールな印象だがリンゴを美味しそうに頬張る表情は実に可愛らしい。チューブトップとホットパンツ調の服と比較的軽装で飛びやすそうな格好ではあるが並んで歩くウィントスは目のやり場に困っていた。


(メロンみたいのがめっちゃ揺れてる…!)


 チューブトップの下は何も付けていないのか歩く度に強調するかのように揺れる巨乳にどきまぎするウィントス君15歳。(尚中身は27歳)

 目の前のハーピーは手足こそ猛禽類を思わせる鋭い鳥のものだがその人間の身体つきはグラビアアイドルのようなセクシーな女性そのもので彼女のほうが自分と比べ10センチ以上の高い身長差もあり胸が大きく尻が小さく引き締まっているスタイル抜群な美女。そんなウィントスの様子が気になり


「どーしたの?」


 リンゴを食べ終えたハーピーの少女はウィントスの顔を覗き込む。ハーピーの少女はウィントスの顔を見るとえーとと何か言い淀んだのを見て


「ああ、自己紹介がまだだったな。俺はウィントス。ウィントス・ミヤビだ」


「ウィンとみ?ウィンみび…」


「ウィンでいいよ」


「うん分かったウィン!私はエールだよ!よろしくね!」


 えへへと笑うエールにドキリとしつい見惚れてしまうウィントス。しかし何時までも照れていられないと思い気を取り直して尋ねる。


「所で、なんでエールはこんなとこにいたんだ?」


 えっとね、と言いかけたエール。その時一陣の風が吹いた



(ニゲテ!)



「え?わわっ」


 その風の言葉に即座に反応したウィントスはエールを抱えて手近の木に登り身を隠す。すると


「おい、いたか?」


 現れたのは人相の悪い盗賊風の男達、盗賊の一人が切られた罠を見ると舌打ちし


「ちっ、逃げてやがる」


「探せ、まだ遠くには行ってないはずだ」


 その様子を木の上から伺っていたウィントスとエール。エールにしーと人差し指を口の前に立て音を立てないようにとジェスチャーするとエールは首を縦に振る。

 どうやらさっきエールが引っ掛かっていた罠を仕掛けたのはあの盗賊達のようだというのが分かった。そうして様子を伺っていると盗賊達に近付く一人の男が、男は低い声で


「おい、どうした?ハーピーはいたのか?」


「すいません旦那、どうやら逃げたみたいでして…」


 盗賊達が敬語で話しているのが聴こえその男を確認するウィントス。顔までは見えないが鎧を身に着けているのが分かり立ち振舞からどうやら騎士のようだ。そしてそれは


(レーマン家の紋様、クソ親父のとこの騎士か)


 忌まわしきクソ親父リックス・レーマン侯爵に仕える騎士だと分かった。左胸に見覚えのある家紋が見えたのをウィントスは見逃さない。その騎士含めた男達は何か話すとレーマン領方向へ歩き山を降りて行く。連中がいなくなったのを確認しウィントスは耳を澄ませて風の声を聞く



(モウ、ダイジョウブ)



 風の声からオッケーをもらい木を降りるウィントス。抱えていたエールを降ろすと驚いた表情でエールに迫られる。


「ねえ!ウィンは今の聞こえたの!?」


「うぉっとぉ!?今のってのは風の声か?ああ聞こえたけど」


 ウィントスがそう答えると


「ホント!すごいよウィン!「ふぎゅ!?」風声ステムウィント聞こえる人間初めてだよ〜。ウィンってすごいんだね!」


 感激のあまりエールはウィントスの頭を胸に埋めるように抱き寄せ羽の手でウィントスを覆うように抱き締める。嬉しさのあまりエールは気にしていないようだがウィントスは


(む、胸やわらかっ!それにすっげぇ暖けぇ…!)


 エールの豊満な胸に顔面から埋めるような体勢になってしまい布越しとはいえ顔面からエールの豊かな巨乳は弾力があり饒舌し難い温もりが、更には包まれた羽の中は暖かくそれは総じて予め温めた布団に包まれているようだ。しかし


「エール…、苦しい…」

「あっ、ごめんね」


 エールが思いの外強く抱き締めた為エールの胸の中で呼吸が出来なくて気を失いかけるウィントスだった。その後道すがら改めてエールに尋ねると


「なる程、最近ああゆう奴らがこの辺ウロウロしてるの見かけて警戒してたら罠に引っ掛かったと」


「うん。アイツラがこの辺来てるの私達みんな風声ステムウィントで知ってね、だからみんなで気を付けてたんだけど引っ掛かっちゃった」


「俺はそいつらの仲間とは思わないのか?」


 ウィントスの質問にエールは


「うん。助けてくれた時に風声ステムウィントがこの人は大丈夫って教えてくれたから」


 そう言ってえへへと笑うエール。すると


「わっ!」


「だから良かったよ〜、ウィンと会えたんだもん♪」


 ウィントスをぬいぐるみを抱えるかのように抱き寄せるエール。すっかりウィントスを抱き締める事に味を締めたようで嬉しそうに笑う。その後エールの誘いもありウィントスはヴァトラス山にいる他のハーピー達の元へ招かれるのだった。



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