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異世界転生 冒険者になるので探さないで下さい  作者: みえだ
第2章 『風』と『翼』、冒険者になる
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国防軍人さんと




「あっ、ウィントスさーん」


 エールと街を歩いていたらふと声をかけられる。聞いたことある声だと思い振り向くと


「これはサラさん、こんにちは」

「こんにちはー」


 声をかけてきてくれたのはこのアルバトロス連邦共和国を守る国防軍人でルーメン在中のエルフ族トニアさん。トニアさんは手を振りながら歩み寄って来て


「エールさんもこんにちは。今依頼の帰りかしら?」


「はい。午前中は商店街の清掃の手伝い依頼に国防軍の駐屯地内施設の補修依頼を受けた帰りです」


「そういえば今日やっと寮の外壁直ったと思ったらあれウィントスさんがやってくれたのね」


「そーだよ!ウィンすっごい上手なの!あっと言う間にシュババって綺麗にしちゃうの!」


「俺だけじゃありませんよ、エールも協力してくれるから手際良く出来るんです」


「そうみたいですね。以前後輩達がやった時段取りめちゃくちゃで丸一日掛かったみたいで、それを小一時間であんなに綺麗に修繕したのを見てこれからはウィントスさん達に出入り業者になってもらおうかとの案が」


「俺一応冒険者なんですけど…」


 街中で和気あいあいと話しているとエールがトニアさんが持っている物に気付いたようで尋ねた。


「トニアさん何持ってるの?」


 トニアさんが持っていたのは色とりどりの宝石のような石が嵌った腕輪のようなアクセサリーが入った袋。何だろうと俺とエールが見ているとトニアさんは一つ取り出して


「これは『アーツリング』って言って魔法を行使する為のアイテムよ」


「「アーツリング?」」


 初めて聞くな。トニアさんの話によるとアーツリングとは魔力が少ない人間や獣人でも魔法の具現化を可能にする魔道具だそうだ。トニアさんが持っているものは国防軍の備品で魔法が不得手な前線の獣人族の兵士用に調整した物らしく主に攻撃魔法を込めた物が多いそうだ。そう話しているとトニアさんの後ろから持っているアーツリングが不意にヒョイと取り上げられた。


「ちょっとトニア。道草も程々にしなさい」


「あっサラ〜」


 現れたのはトニアさんの同僚で不思議な程跳ねっているはねっ毛ヘアーの人間族のサラさん。サラさんはトニアさんに苦言も漏らすも俺達に気付くと


「あら、ウィントスさんエールさんこんにちは。成程、ウィントスさん達と話し込んでたのね」


「そうよ、寮修繕のお礼かねてね〜」


「あれウィントスさん達がやったんですか?ウィントスさん冒険者から軍の出入り業者に転向しません?お賃金頑張りますんで」


「しませんよ!」


 サラさんにも業者として勧誘されたのを突っ込み笑いが起こる。その後もサラさん交えアーツリングの話しになると


「でもウィントスさんとエールさんには必要なさそうですね」


「そうなんですか?」


「ええ、アーツリングは人間族や獣人族といった魔力の少ないものが装備するものですから。ウィントスさんみたいに魔力が優れている人間やエールさんみたいにハーピーといった魔力に恵まれた種族には無用の長物なんですよね」


 と、サラさん交えて話し込んでいるとサラさんははっとした表情をして時計を確認すると血相変えて


「ごめんなさいお二共この辺で、行くわよトニア!」


「えっ?どうしたのサラ?」


「もうすぐ陸上大隊の帰還の時間よ!」


「えっ!いけない!忘れてた!」


「でしょうね!じゃあウィントスさんエールさんまた!」


 そう言ってトニアさんとサラさんは足早に駐屯地の方向へ向かって行くのをエールと眺めていた。


「ウィン、陸上大隊ってアドレアさんの息子さんがいるとこだっけ?」


「ああ、確か朝商店街のおっちゃん達が言ってたやつだな」


 サラさん達が言っていたのは遠征をしていたアルバトロス連邦共和国国防軍の中部戦術陸上大隊の帰還。それに関連して俺達が商店街のおっちゃんやおばちゃん達から聞いたのは若干19歳で中部戦術陸上大隊所属で『焔龍』の異名を取るエースの事


「ミセスアドレアの息子さんのエルク・ドヒュナー。だっけ?」


「うん。おばちゃん達も言ってたけどすっごい気さくな人らしいよー」


 こう話しながら俺達は冒険者ギルドへと足を向けた。


 後日、俺達は思わぬ形で噂のエルク・ドヒュナーと出会う事になる。



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