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やるべきこと


 ご飯を食べ終えてからは、俺も自分に課された仕事をこなさなくちゃいけない。

 とりあえず優先順位をつけているので、高いものから順繰りに処理をしていく。


 もちろん最優先で行うのは、白鳳騎士団の鎧の付与である。

 これはソルド殿下からの依頼なのでさすがに、俺が手ずからやる必要がある。


 シュウたちや他の生産班の奴らでも、問題なく『ワイバーンメイル』を作ることはできる。 けど魔道具の効果はどうしても作り手の練度によって変わってくる。


 結局俺が作るのが、一番いい物ができるのだ。

 リンブルに腰を落ち着けるわけだから、しかるべきところでは最高品質の物を届けなくちゃいけないしな。


 これが魔道具造りのあんまりよくないところだ。

 基本的にワンオフになるせいで、同じ物を作っても製品の性能に差が出てしまう。


 例えば『点火』の魔道具でも、俺が作るのとリンブルの魔道具職人が作るのとでは魔力の変換効率が五倍は違う。


 いい物を作ろうとすればするほど、職人の腕が必要になってくる。

 魔道具造りの業界は、わりとシビアなのだ。


 規格とかを均一にすれば、中品質くらいの魔道具を安定して供給できるようにはなるとは思うんだが……それって俺やシュウが手を抜いて、中品質の魔道具を作るのと変わらないからなぁ。

 何かいい手はないかと探してはいるんだが、未だ方策は見つかっていないままだ。




 今日作業場に持ってこられたワイバーンのスケイルメイルは三つだった。

 まだ触媒もつけていない状態なので、これはまだただのワイバーン素材を使った鎧だ。


 今は王都の腕利きの職人たち総出で作っているということだから、スケイルメイルの届くペースはかなり早い。

 俺の方には割とゆとりがあるが、きっと今頃革職人達たちはひぃひぃ言いながら作業に明け暮れていることだろう。


 ちなみに作業場は、侯爵邸からほど近いところにある元鍛冶屋の工房である。

 かなり金が余っていたので、とりあえず建っている建築物ごと買い上げたのだ。

 生産班のみなも、周囲にも金物屋なんかがたくさんあるので、それほど音を気にせず作業をすることができる。


 ちなみに魔道具でガチガチに固めているので、防犯対策もバッチリ。

 万が一にも盗難の心配はない。



 このスケイルメイルは表側は原種ワイバーンの鱗、裏側は原種ワイバーンの皮革でできている。

 裏側の皮革は、魔力回路が刻めるように厚く作ってもらっている。

 もし失敗したら表面を少し削ればやり直しもできる親切設計だ。

 防御力が僅かに落ちるから、もちろん失敗するつもりはないけどな。


 裏側の真っさらな、少し茶色っぽい皮革の大きさをじっと見つめる。

 さて、ここに……どんな魔力回路を描いてやろうか。

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