表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/244

上位龍討伐戦 3


『先手必勝ヨ!』


 一撃、二撃、三撃。

 衝撃だけで周辺のスケルトンたちがバラバラになっていくほどの威力の拳打が繰り返される。

 一度攻撃を受ければ鱗が凹み、二撃目を受ければ弾け飛んだ。

 そして三撃目を食らう時には、肉が衝撃で大きく凹む。


「syaaaaaaaaa!!」


 ドラゴンはこれまでで一番の苦悶の声を上げながら、ビクビクと身体を動かしている。

 彼女たちが大怪獣バトルを繰り広げている間に、事前に渡していた『収納袋』からスケルトンたちの装備を入れ替えていく。

 遠く離れた俺たちのところまで、ライライの殴打の音は聞こえてきていた。


 ライライが攻撃を繰り返している間に、ドラゴンの周囲を固めるように『辺境サンゴ』のメンバーが現れた。

 彼女率いる遊撃隊のメンバーたちだ。

 鉄爪や鎌、斧といったワンオフの装備をめいめいがつけている。


 彼女たちは統制が取られていては真価を発揮できない、ライライのような特殊な人間ばかりを集めている。

 中には全身をガチガチのカースドウェポンで覆い、たまに味方に攻撃しているファノのようなやつまでいるからな。


「kyuuuuuu……」


 飛ぼうとすれば、ライライが落とす。

 動こうとすれば、ライライが殴ってその場に縫い付ける。

 そして周囲からは、絶えず攻撃が飛び続ける。


 ドラゴンはここに来て初めて、弱気な声を出す。

 今までの蓄積も効いているのだろう、その動きは明らかに鈍っているように見えた。


「kyowaaaaaaa!!」


 シルバリィドラゴンは、劣勢になったと見るや強引に身体を制動。

 ライライの攻撃を敢えて捨て身で食らい、ぐるりと身体を回転させた。

 距離が離れたことで、『闇玉』の効果範囲から抜け出ることに成功した。


 身体が大きい分、ごろんと転がるだけでも結構な距離が稼げる。

 みなが追いつくより早く、ドラゴンは少し離れたところに距離を取った。


 そしてライライたちの方を向き、大きく口を開く。

 ドラゴンが放つことのできる最強の遠距離攻撃である息吹ブレスだ。

 各ドラゴンごとに属性や威力が異なり、上位龍であるシルバリィドラゴンのそれは確実に命を持っていくだろう。

 攻撃を当てられれば全身を『ドラゴンメイル』で固めているとは言え、重傷を負うのは避けられない。


 ――なので無論、これも対策済みだ。


「a1-a4、飛べ」


 俺は事前にスケルトンを各ポイントに設置し、待機させておいた。

 地表からブレス攻撃を行う際に、それを文字通り命がけで止めさせるためだ。


 コォォォォと、息吹を収束させる甲高い音が聞こえてくる。

 息吹を放つためにはタメが必要であり、その隙が非常に狙い目になってくる。


 俺の命令に従い、あらかじめ待機していたスケルトンたちが飛び出してくる。

 そして彼らは息吹の発射態勢で構えているドラゴンの……口腔へと突っ込んでいった。

 その両腕には、人の胴ほどもある大きさの箱が抱えられている。


 彼らが入り込むのと、息吹が発動するのはほとんど同じタイミングだった。

 ライライたちが即座に効果範囲から逃げだそうと横へ回避軌道を取る。

 息吹が発動していれば、ドラゴンが首を動かすだけでいくらでも方向修整が利くために危ないところだが……今回はそうはならない。


「kuruooooooooo!!」


 ドラゴンの息吹が発射され、その爆発的なエネルギーが喉を通って飛び出すから。

 そして内部にいるスケルトンたちへ当たり……その腕に抱えた『ブラストファイアボール』の魔道具が轟音を立てて爆発。

 スケルトンを木っ端微塵にし、骨片と木片がドラゴンの口内をズタズタに切り裂いた。

【しんこからのお願い】

この小説を読んで


「面白い!」

「続きが気になる!」

「圧倒的じゃないか、『辺境サンゴ』は!」


と少しでも思ったら、↓の★★★★★を押して応援してくれると嬉しいです!


あなたの応援が、しんこの更新の何よりのモチベーションになります!

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ