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上位龍討伐戦 2


 地面に火魔法の込められた魔道具をありったけぶちまける。

 もちろん全員に行き渡らせるだけの分量はあるので、スケルトンたちは拾い各々装備を進めていく。

 これらを作ってくれたシュウたちには、感謝感謝だ。

 アンデッドたちに火魔法付与がなされたマジックウェポンをガンガン使わせる。

 弱点と思われる部位から優先的に攻撃をするよう、なるべく俺とセリアで攻撃の場所を誘導させよう。


 『辺境サンゴ』のメンバーを下がらせ、交替するように俺とセリアのアンデッド軍を出した。

 作ること自体は事前に済ませているため、待機させていたスケルトンたち三万をこちらへ呼び出す。

 これが俺たちの第二陣だ。


 本当ならまだセリアの力を見せるのは早いとも思っているんだが……本人の希望なら仕方ない。

 それに実際、これが一番被害が少なくなるからな。


 事前に死霊術士がいるという話は通してあるし、なんとかなるだろう。

 このデモンストレーションさえ上手くいけば、後で最前線を悪魔とアンデッドに任せているという話も切り出しやすくなる。


 セリアは今回、スケルトンを可能な限り呼び出している。

 一番呼ぶ頻度の高い『葬送の五騎士』だけでなく、魔法に特化した『冥府魔導団』、そして防御に特化している『トーチカ』。

 三集団の同時召喚は、森にアンデッドを残している彼女にできる限界ギリギリだ。


 彼らにそれぞれ二千のスケルトンを率いらせ、とにかく全方位から当たらせる。

 徹底的に狙うのは腹部。


 遠距離攻撃手段がある奴はとにかく火魔法をぶち込み、火魔法の付与された武器を持つ奴らはとにかく弱い部分から切りつけていく。


 エルルたちは後方へ下がり、適宜『闇玉』を投げてシルバリィドラゴンの視界を塞いでいる。


「相変わらず美しくないな」

「まぁ、総員突撃させてるだけですからねぇ」


 細かい統率なんかは取れないから、とにかく突っ込んでは攻撃して、バラバラにされるということの繰り返しだ。

 強力なアンデッドたちも、大量の味方に囲まれていては動きは取れない。

 なので雑魚スケルトンたちがいる間は、とにかく指揮に徹させている。


「だが……思っていたより動きが遅いな」

「そうですねぇ、まだ飛びませんし」


 ドラゴンの脅威は色々ある。

 例えば、エルルたちが一当たりした程度ではびくともしない、高いタフネス。

 そして大量に攻撃を食らっても平気な顔ができるような、高い物理と魔法への耐性。

 けれどやはり一番大きいのは、なんと言っても空を飛び、一方的に攻撃をしかけてくるところだ。


 ドラゴンが飛んだ場合、各百人隊長と遊撃隊の隊長であるライライ、そしてセリアの支援を受けたアンデッドの精鋭が高度が上がる前のドラゴンを落とすことになっている。


 基本的にドラゴンは劣勢になると空を飛ぶ傾向にあるのだが、どうやらこのシルバリィドラゴンはその例外にあたるようだ。

 全身に傷をつけられ続けても、一向に飛ぶ気配がない。

 あるいは、飛ぶ必要もないと思われているのかもしれないが。


 スケルトンが千死に、二千やられ、三千がひき殺される。

 どれだけ派手に動かれようが、こちらは痛くもかゆくもない。

 全部替えの利く雑魚だからな。




 スケルトンが一万ほどやられた頃、とうとうシルバリィドラゴンが動きを見せた。

 ばさりと翼をはためかせ、空を飛ぶ体勢に入ったのだ。


 このまま飛ばなかったらどうしようかと思ったぞ。

 カフに触れ、送信モードへと切り替える。


『ライライ、やれ』

『あいあーい、任せるネ』


 連絡を取ると、即座に現場に動きがあった。

 空を飛ぼうと勢いをつけ、上空に飛び上がったドラゴンの頭上に、一つの影が現れる。


『堕ちるネ、トカゲ!』


 ライライは顔を真っ赤にしながら、ドラゴンの背中目掛けて己の拳を放つ。

 既に限界ギリギリまで酔っ払っている今、彼女の気力量は大隊の誰をも凌駕する。

 純粋な総量で言えば、俺すらも超えているだろう。


 ライライが装着しているのは、オリハルコン製のナックルフィスト。

 この世界にある中で最硬の金属が、莫大な気力で限界まで強化された肉体により、ドラゴン目掛け超音速で振り切られる。


 ドゴオオオオオオッ!


 とても攻撃がぶつかったとは思えないような爆音がしたかと思うと、ドラゴンが地面へとたたき落とされていた。

 その衝撃で周辺にいたスケルトンたちが潰れていく。

 だが直下にいたスケルトンたちは、きっちりと得物をがら空きの下腹部へと差し込んでから、バラバラになった。

 こんな風に命を顧みない行動がいくらでもできるところが、アンデッドを使うメリットの一つだ。

 まだまだ彼らには働いてもらうぞ。

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