答え
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「ふむ、なるほどな……」
リンブルと交信ができるようになった時点で、俺は『通信』の魔道具を使ってソルド王に話を通しておくことにした。
属州反乱に加勢する旨を伝えると、ソルド王は何も言わずただ眉を顰めてから目を瞑る。
恐らく色々なリスクとリターンを考えるために、頭を高速で回しているのだろう。
「であれば一旦、声明を出すことにするか」
リンブルとデザントは表向きは友誼を結んでいる。
そんな状態でデザントにリンブルの紐付きである俺たちが、属州の手助けをするために入るというのは、あちらから見れば内政干渉も同義だ。
確実に心証は悪くなるだろうし、ほぼ間違いなく外交問題に発展することになるだろう。
リンブルという国から見れば、何もしないのが最善なのだ。
属州が暴発して内側で争ってくれればデザントは勝手に疲弊していくからな。
それに今のリンブルに最も必要な時間も稼ぐことができるわけだし。
「自分も色々と考えたのですが……今回はそれだけでは足りないのではと」
「ほう、それならどうするつもりだ?」
俺としてもリンブルを巻き込むことは本意ではない。
だがただ手をこまねいているいかないのだ。
なにせ今回の場合、属州反乱で負けてやられることになるのは『辺境サンゴ』のメンバーの家族や大切な人たちなのだから。
そこで俺はその全てをある程度解決できる、ウルトラCを取らせてもらうことにした。
隊員たちすら想像していなかった、俺が打つ一手とは……
「俺はソルド王に報告した現時点を以て……オリハルコン級冒険者クラン、『辺境サンゴ』の解散を宣言致します」
それは――『辺境サンゴ』の解散だった。
『辺境サンゴ』がリンブルの紐付きであることで問題が発生するのなら、その土台そのものを壊してしまえばいい。
クランそのものがなくなってしまえば、法律上のまとまりも消失する。
そうなれば後は、冒険者として活動が可能な第三十五辺境大隊の元メンバー達が残るだけだ。
彼らがどこでどんな戦場で戦働きをしようが、文句をつけられる者はいない。
冒険者は全てが自己責任である代わりに、自主自立が認められているのだから。
俺が口にしたの逆転の発想に、ソルド王は彼にしては珍しくぽかんと口を開けている。
「は、はは……何かが出てくるとは思っていたが、さすがにそこまでは想定していなかった。だが……アルノードはそれでいいのか?」
「……正直全然良くはないですよ」
俺だってできることなら『辺境サンゴ』の解散なんてしたくない。
そもそもこの場所は、大隊の皆が食い物にされないようにと俺が作った彼女たちのための居場所だ。
だが短くない時間を過ごすうちに、俺も皆もこのクランそのものに愛着も湧いてきている。
ただ今回の場合は仕方がない。
その他に手立てがないのだから、受け入れるしかないのだ。
「まあ、メンバーは誰一人死なせずに終わらせてみせます。そうすればその後で、また『辺境サンゴ』を作り直せばいい……違いますか?」
「――ふははっ、そうだな、たしかにその通りだ!」
こうして俺は『辺境サンゴ』を現時刻を以て解散することを決めた。
そして次の日の朝――クランハウスの外に集まった『辺境サンゴ』のメンバーたちの前に、俺は立っていた。
別れの言葉なんて正直柄じゃないが……仮にもリーダーだ。
最後くらい、きっちりと言葉で伝えなくちゃな。
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