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ゴリ押し


 ダナさんたちダークエルフが得意なのは、魔力による身体強化。

 その出力を確認するために、デザント兵たちをサンドバッグにしてもらいながら、ついでに情報収集も行っていく。


 どうやら彼らは、補給部隊の先遣隊らしかった。

 そう遠くない場所に後続の部隊が続いているらしく、デザントからの食料を始めとする各種物資の補給を行っているという。


 ちょっとびっくりしたのは、補給が『収納袋』を使って行われているらしいことだ。

 俺がバカスカ使ったり気前よく分けているせいでつい忘れてしまいがちだが、基本的に『収納袋』はかなり高価な魔道具だ。


 内容量にもよるが、一軍の物資を賄うとなるとかなり容量が多いか、『収納袋』の数自体が多いかのどちらかになるはず。

 デザント的にもガルシアにそれだけ力を入れているってことなんだろう。


 さっそく補給部隊の手がかりを得ることができたのは僥倖だった。

 なんとしてでも補給部隊を捕捉しにいきたい。

 物資をまるっといただいて、進んでいる軍団を干上がらせておきたいからな。


 情報収集を終えれば、デザントの魔法兵たちに用はない。

 俺は処理の方法は任せるとだけ言い、その場を後にすることにした。

 それから先に何が起こったかは知らないが、出発する時に彼らが冷たくなっていたのだけは確認した。

 俺にできたのは、魔法で土を被せてやるくらいだった。


 さっさと次に行こう。

 こういう気乗りしないものは、すぐに終わらせるに限る。




 それから一日もしないうちに、補給部隊の居場所は判明した。

 その日のうちに捕捉に成功したのは、もちろん理由がある。

 簡単に言えば、デザントの奴らが欲を掻きすぎたんだな。


 ダークエルフや見目麗しいシステナの女性たちを探すべく、補給部隊の隊長は部隊の一部を小分けにして周囲の探索を行わせていた。


 俺たちが最初に遭遇したのもそんな風に補給部隊が出してる分隊の一つだったから、あとはそこから辿っていけば、追いつくのはそれほど難しくなかった。


 ただ捜索を行わせる分隊があるってことは、戦力を小分けにするだけ本隊に余裕があるわけで。

 補給部隊の人員は、かなり数が多かった。

 人数は百には満たないが、戦う気が満々のダークエルフだけだと少々厳しい数だ。


 なので今回は、俺たち『辺境サンゴ』が一肌脱ぐことにした。


 やり方はかつて大量のアンデッドたちと戦ったり、トイトブルク大森林からやってくる魔物に対処したりした時と同じだ。


 数を相手にするなら、更に多くの数をあちらにぶつければいい。


「我、奈落へ供物を捧ぐ。汝、盟約に従い冥界より来たれ」

「『超過駆動オーヴァーチュア』クリエイション・スケルトン!」


 セリアが強力なアンデッドを召喚し、それに俺が『超過駆動』で発動させたクリエイション・スケルトンで生み出した大量のスケルトンを従わせる。

 あとは純粋な物量作戦を仕掛けて、相手を削り続けるだけでいい。

 俺の魔力の消費も大してないし、使うのはセリアが死霊術の行使に使う供物だけだからとにかくコスパがいい。


 相手は仮にもデザント王国の補給部隊。

 精鋭揃いのデザント軍の中には、マリアベル達百人隊長クラスの軍人も、そこまで多くはないが存在している。

 今回はセリアの能力を見せてでも、確実に潰させてもらうぞ。

 もちろん証人は、誰一人として生かしはしない。


「う、うわああああああっっ!」

「く、クソッ! 離れやがれえええっっ!!」


 俺は遠見の魔法を使ってデザント軍をリアルタイムで観察しながら、着実に削っていった。 そして予想通り、補給部隊の隊長を務めている男はかなり強力な魔法使いだった。


 ダナさん達ダークエルフを突っ込ませていたら、多分何もできずに殺されていただろう。


 なんと俺が創りまくった数千のスケルトンだけじゃなくて、セリアが今回呼び出していたリッチたちまでやられてしまった。


 セリアが再度供物を使い召喚した『葬送の五騎士』を使ってなんとか倒せたが……デザントの層の厚さを感じさせる男だったな。


 こうして俺たちは行きがけに補給部隊を潰し、ついでに似たようなことを近隣に駐屯していた兵たちにも仕掛けていくことにした。

 ただあの補給部隊の隊長クラスの人間はおらず、他は比較的簡単にひねり潰せた。


 とりあえず今回はアンデッド任せにして解決したが、今後のことを考えるとダナさんたちだけでも補給の妨害か破壊くらいはできるようになっておいてほしいところだ。


 ゴリ押し以外のやり方を、もうちょっと考えなくちゃいけないな。

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