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「――という感じだったな」


 王様ゲームというやつはなかなかな強敵だった。


 最初は王様に指名されたやつが、運動をしたり一発ギャグをしたりするだけでよかった。

 序盤は至って普通な感じだったのだ。


 おかしくなったのは、ミミィがリリィに一気飲みをさせたあたりからだ。

 次はリリィがミミィに酒を飲ませ、ベロベロになった二人に振り回されるような形で、ゲームがスピーディーに、しかし内容は過激になっていった。


 最終的には半裸になったギネヴィアがジョッキを掲げて高笑いして、その下で俺はパンツ一丁で土下座をしていた……といえば、その悲惨さが伝わるだろうか。


 まったく酒の勢いというものは恐ろしい。

 俺はもう二度と酒は飲まないぞ。


 ……飲んだ次の日は、絶対にそう思うんだよな。

 なのにどうして、気付いたらまた酒を飲んでいるんだろうなぁ(遠い目)。


 そして今はその翌日の朝。

 俺は昨日結局一度も大部屋に顔を出さなかったセリアたちの部屋にやってきていた。


 今はちょうど、彼女たちに昨日の大惨事についての説明を終えたところだ。


 どうやら彼女たちは夜通し話をしていたようで、みな揃って眠たそうな顔をしている。


「いったい何の話をしてたんだ?」

「それはぁ……」

「――内緒」


 どうやら秘密らしい。

 女子会に参加する権利は、当たり前だが俺にはないようだ。


「二日目の予定はもう決まってるのか?」

「決まってる人もそうでない人もいますね。隊長は?」


 エンヴィーを始めとして、たまに隊長呼びすることがあるが、いちいち訂正はしない。


 ちょっと冷静になって、別に呼び方とかどうでもよくねという結論に至ったからな。

 好きに呼んでくれればいいさ。


「せっかくだから外をぶらつこうかと思っている。エンヴィーは決まってるのか?」

「私は今日は引きこもって酒でも飲んでいようかなと思います」

「お前、わざわざ遠出して酒盛りするって、それじゃあ出掛けた意味がなくないか?」

「隊長はわかってないですねぇ。遠出した場所で酒を飲むことに意味があるんですよ」


 なるほど、わからん。

 まったく理解はできなかったが、すごくしたり顔をしている彼女を落ち込ませたくはなかったので適当に相槌を打つ。


「でもとりあえず、寝ますぅ。朝ご飯はいらないのでぇ」

「ああ、伝えとくよ」


 どうやらみんなはグロッキーなようなので、俺は部屋を出て朝飯を食べにいくことにした。 いてて……二日酔いで若干頭が痛いな……。




 とりあえず飯を食い終えて外へ出掛けようとすると、掃除を担当しているらしい使用人の人が今は渓流下りか渓流釣りがおすすめという話を聞いた。


 渓流下りは絶対に誰かとやった方が楽しいので、それなら釣りかな。

 なんと嬉しいことに、別荘には貸し出し用の釣り具もあるらしい。


 竹竿が基本だが、中には極太の金属製の物まであった。


 川の魚って、そんなにデカいイメージがないんだが、まるで海で大物を一本釣りしにいくときのようなサイズ感だ。


 不思議に思いこんなものが置いてある理由を聞くと、なんでもこの川には主がいるらしい。

 釣れるもんなら釣ってみろということで、ここの管理人が面白半分で置いているそうだ。


 それを目に入れ、そして事情を聞いた瞬間、俺が今日することは決まった。


 俺はなんとしても……主を釣るぞ!




 まず必要なのは、事前の下準備だ。


 情報なくして勝利なし。

 俺は遊びにも全力で挑む。


 まずこの主の目撃情報に関してだ。

 使用人の中にも見たことのある人間は数人いたが、彼らから聞く情報はどれも細部が違った。


 そのサイズは、明らかに川幅よりもデカいという者もいれば、いやいや川幅ギリギリくらいだという者もいる。


 近くにある川の横幅は、二メートル以上はある。

 これよりデカいとなると……それはもう普通の魚なはずがない。


 多分だが主は魚ではなく、魔物だろう。

 だがそれなら俺の本職だ。


 どうせなら主をしっかりとおびき寄せ、仕留めてやる。

 そして夕食は、主を使ったBBQと洒落込もうじゃないか。




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