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「一番の問題は北伯であるランドル辺境伯だ」

「北ですか……」


 ランドル辺境伯の領地、および寄子たちも含めた領地は実に北部の半分近くを占めている。 領内は西部~北部あたりの外周を海に囲まれているため、天然の要害となっている。

 たしかに攻め落とすとなると、かなりの時間がかかるだろう。

 兵糧攻めをしようにも、周囲を囲む海を経由されればなかなか完全に輸送を防ぐのは難しい。

 海上封鎖って、あんまり現実的な手段じゃないからな。


 なんだっけか。

 俺はそっちには大分門外漢だが、なんでも港に鎖を入れたりするんだっけ?

 曖昧な知識しかない。


 そして攻め落としにくいというだけじゃない。

 北伯の地理的な強みはもう一つある。


「海を経由して、オケアノスやデザントと繋がっている可能性がある……というわけですか?」

「その通りだ。リンブルには大した造船技術がない。どこかから適当に船でも買われていれば、両国間での行き来をしている可能性は十分にある」


 ランドル辺境伯の北部の領地は海に面している。

 その先には大星洋が拡がっており、デザントやオケアノスと海の航路で繋がっているのだ。

 恐らくソルド殿下は、そのどちらかと北伯が繋がる、或いは既に繋がっているかもしれないことを危惧しているんだろう。


 オケアノスは基本的に孤立外交を取っているため、それほど心配はしなくていい。

 王家が代替わりとかをして大規模な政策転換でもない限りは、戦争の可能性は極小と見ていいだろう。

 なにせ以前は、リンブルが相当ヤバかったらしいときにもまったく食指を動かさなかったっていう話だし。


 ただやはり問題は、仮想敵国であるデザントと繋がる場合だ。

 北伯が寝返った場合、リンブルは戦線を二つ抱えることになる。

 そして大星洋を経由してデザントの兵なり魔道具なりを持ち込まれてしまえば、リンブルは一気に怪しくなってくる。


 つまり北伯の動静は、割とリンブルの国情そのものにかかってくるわけだ。

 国境沿いである南公の説得には成功しても、こちらはあまり上手くいっていないらしい。


「というか、まったく情報が入ってこないんだよな。厳しい情報統制でも敷かれているのかもしれない」

「情報統制……ですか? まさか既にデザントに征服されたあと、なんてことは……」

「さすがにデザントもむやみやたらに戦域を増やすことはしないと思うが、可能性はゼロではないな。今のところ使者を出してもけんもほろろで、向こうの様子がまったくわからないんだ。王家の力が大して強くないせいで、強硬手段を採るわけにもいかない」


 きな臭いっていうのは、そのあたりのことなんだろうな。

 だとしたら俺にもいくらかできることがありそうだ。

 俺たちは冒険者、どこにでも自由に行けるさすらいの風来坊だからな。



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