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もしもし

「もしもし、聞こえているか?」

「はい、問題ありません」



 通信の魔道具は、無事に効果を発揮してくれていた。

 今俺の目の前には、中空に映し出されたソルド殿下の上半身が見えている。


 王都からガードナーまでは結構離れているはずだが……これだけの遠距離でも通信はできるのか。

 ここまで来るとそう遠くないうちに、諸外国のお偉方同士が通信でやり取りをする未来も来るかもしれないな。


「そちらの方はどうだ? ちゃんと休めてるか?」

「ああはい、休暇を満喫してますよ」


 育休を始めとして組織内での変動はあったが、何か事件なり激しい戦闘なりは起こっていない。

 精々がエルルが平のメンバーたちを相手にして一人でみんなをボコボコにしてたくらいだろうか。

 鬱憤晴らしかなにかだったみたいだが、そこまで苛めたらさすがにかわいそうだろうに。


 でもここ最近みんな身体が鈍りがちだったから、案外いい運動になってくれたかもしれない。


「ソルド殿下の方はどうですか?」

「そうだな、じゃあ順番に報告していくか」


 まずはトイトブルク大森林に関して。

 森から出てくる魔物に対する防壁が完成してくれたようだ。

 『魔力筒』によって防衛もずいぶんと楽になり、今では白鳳騎士団たちが出張らずとも、王党派の騎士団だけで防衛が可能なレベルにまで持っていくことができたらしい。


 『魔力筒』は製造方法をソルド殿下に提供している。

 無論無償じゃない、今回は特許料として作成ごとに一定の割合の額をもらうことで合意することができている。

 他にもいくつかの魔道具の設計図を、このような形で有償で提供している。


 王党派なんか、強くなってくれればくれるだけありがたいからな。


 俺たちのことが完全に要らない子にならないよう、ある程度渡す内容は選ばせてもらってはいるけどな。

 完全に特許でも取って、技術の中枢に居座ることができるんなら、もっと開陳してもいいんだが……それはまだ早いだろうし。



 リンブルの付与術士たちに作らせた『魔力筒』でも、ある程度満足のいくできのものが作れたようで、今のリンブルは自国内でこれを増産できるように励んでいる最中だ。


「これで国内に目を向けるだけの余裕ができた。アルノードには改めて礼を言わせてもらおう」

「いえいえ。それで実際のところ、リンブルの国内情勢はどうなんですか? 内戦とか、起きそうな感じで?」

「ふむ、そうだな……」


 ソルド殿下は顎をなでつけてから、きなくさい感じはするという曖昧な答えだけを返してくる。

 地方分派の寝返り工作はそこまで上手くいっていないってことなんだろうか、それとも……。



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