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共同生活


 『暁』の入っているこの屋敷のサイズは、それほど大きくない。

 入っているメンバーの数も、多分十五人くらいだろう。


 こじんまりとしていて、なんだか少し落ち着く。

 元々小市民だからな……これくらいの方が気が楽だ。


 いつもと違い長机ではない、円形のテーブルだ。

 丸っこい机が二つくっついていて、その周りを囲うように椅子が配置されている。


 ミリィとセーヴェは完全にダウンしているので、ヨハンナとカオルだけ同席している。

 そこに元々ここに住んでいて、まだ起きている奴らが全員やってきた。

 メンツは二人を除くと、女六に男二。


 全員合わせると、男女比は一対三だ。


「おお、ハーレムじゃないか。よかったなヨシナ」

「アルノードさんがそれ言います?」


 男女比率一対十を超えている俺の屋敷のことはいいだろう。

 何かをするにあたって便利なようにメンバーを揃えたら、そうなっちゃったんだから。


 それに俺がどうのこうのというのはそれほど関係ない。

 男というのはどれだけ女の子との機会に恵まれていても、他の男の女性事情には目くじらを立てる生き物なんだから。

 ……いや、俺が気にしすぎているだけか?


 俺、ヨシナ、そしてシゲルの三人が固まり、俺ら以外の女子陣が残りの円周を形成している。


 女性陣は風呂に入ったばかりだからか、いい匂いがしてくる。

 バスオイルでも使っているんだろうか、かなりフルーティーな香りだ。


 対してヨシナとシゲルは……なんか獣臭い。

 多分焼き肉でも食って、そのまま家に帰ってきたんだろう。

 女性陣を見習え、お前らは。

 それか浄化を覚えろ。


 俺は浄化が使えるので基本的には汚れ知らず。

 匂いもある程度は落ちるので、臭いと言われたことはあまりない。


 今回は……ミリィがリバースしてしまったので香水で誤魔化してはいるが、これは例外というやつだ。


「これくらいの広さの方が、楽かもしれないな。家政婦とか要らなそうだし」

「今のところ、みんなの持ち回り制で家事をしよっかってことになってますね」

「たしかにアルノード……さんのところはかなり広いですもんね」


 俺のさん付けに女性陣はまだ抵抗があり、男性陣は割と速攻で順応しているようだ。


「使用人どうするか、悩みどころだよなぁ」

「普通に雇えばいいんじゃないですか?」

「いや、普通の使用人を雇っていいかは微妙じゃないか? アルノードさんの部屋とか、機密の塊みたいなもんだろ」


 結局使用人の問題は未だ解決していない。

 使用人を雇うならあらかじめ言ってくれれば見繕っておくとは言われている。

 けど家の中にあまり知らない人間を入れることに、そもそも若干抵抗があるんだよな。


 別に盗まれたらまずいものは基本的に『いっぱいハイール君』に入れてるから、機密的な問題はさほどないんだが……。


 でも今後『通信』の魔道具のラインは屋敷まで伸ばすことになるだろうし、ソルド殿下とも定期的にやり取りをさせてもらう予定だ。


 さすがにそうなると、殿下に選んでもらった人材を雇った方がよさそうだな。

 次に話す機会があったときに、頼むことにしよう。


 一応、使用人無しでもある程度回りはするんだけどな。


 今は見えるところを、手すきな奴が適当に掃除して、あとは季節ごとにガガッと掃除でもするかという程度にざっくりとした感じで問題はなさそうだし。


 ぶっちゃけ野宿に慣れてるから、屋敷の中がどんだけ汚くとも大して気にならないんだよな……。

 エンヴィーたちはそうじゃないらしく、ことあるごとにはたきをパタパタさせているが。


 それに遅延のかかった『収納袋』に入れておけば、料理も温かいまま食べられるし、俺は困ってないんだが……みんなの意見は聞かないとな。

 共同生活ってそういうものだし……多分。


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