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「ガードナーで何か仕事を探す必要もありそうだよな」

「え、そうですか? 魔物討伐をしてたらなんとかなると思いますけど」

「いや、こんなハイペースで続けていればすぐに狩り尽くすはずだ」


 前にエンヴィーたちとオーガ狩りをしていた時にも思ったことだが。

 ここら辺の魔物はさほど強くもなければ、繁殖力が高いわけでもない。


 となると俺たちが嬉々として狩りまくれば、魔物がそれこそ絶滅する勢いで減っていきかねない。


 そんなことをすればガードナーにいる冒険者たちの仕事を奪うことにもなる。

 いやまあ治安的なことを言えば、魔物なんか根絶した方がいいのは間違いないんだけどさ。

 今は俺たちがこの街やアルスノヴァ侯爵領なんかの仕組みを変えてしまわない方がいいだろう。


(だとすれば魔物の素材の売却益か? たしかにこれだけでも任務を超えるくらいの額にはなっているけど……)


 『辺境サンゴ』の人間に渡しているのは、任務の契約金だけではない。

 俺たちが今までバルクスで狩ってきた魔物の素材や、それらから作った魔道具。

 そういった諸々を、ある程度配分に傾斜をつけて配ってもいる。

 

 ミリィたちにも、休みの日の魔物狩りが余暇になるくらいの額は与えられているはずだ。 さっき小銭稼ぎって言ってたしな。


 正直まだまだ素材は余っているし……それこそ数年程度なら問題ないか?

 だとすると……『辺境サンゴ』のみんなにも、じっくり休んでもらえばいいか。


 うん、そもそもここには俺のじゃなくて冒険者クラン『辺境サンゴ』の休暇としてやって来たんだ。


 あんまり深いことは考えず、がっつり休んでしまえばいいだけだよな。

 別に街の産業構造とか魔物の狩りすぎによる生態系破壊とか、俺が考える必要はないのだ。

 みんなにやりすぎないように伝えて、あとはなまらないように適宜シゴいておいてやれば、それで何も問題は起こらないはず。


 とりあえず休暇の間も、最低限冒険者としての仕事はしなくちゃだよな。

 今まで狩ってきた魔物の素材を売って暮らしてますっていうのは、さすがに外聞が悪すぎる。


 ただでさえ俺たちは今、貴族の特殊任務を受けてるオリハルコン級冒険者ってことになってるのに。


「適当にやってくしかなさそうだなぁ」

「ですねぇ、何事も適当にやるのが一番ですよ」

「俺とミリィだと言っている適当の意味が違う気がするな」

「そうですか? まあ、ほどほどにやっていきましょう。無理は身体に毒ですしねぇ」


 ミリィはふわあとあくびをして、口に手を当てる。

 無理は身体に毒だってことを、俺たちは実地で経験してる。

 緩急がエグいが、その分何もない幸福を噛み締めることができている。


 こんな毎日が、ずっと続けばいいよなぁ。

 何もしなすぎても、早く老けたりしそうだけども。


 うーん……最近やってないし、次は採集依頼とか受けてみようかな。

 薬草の見分けとか、今でもちゃんとつくだろうか。


 ……どうしよう、普通の冒険者ライフ、なんだかちょっと楽しいかもしれない。




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