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理不尽


「……で、私たちのところに来たんですか?」

「ああ、いつもとは違うことがしてみたくてな」

「そんな非行少年みたいな動機でアルノード様に来られても、正直困るんですが……」

「まあそう言わないで、とりあえず体験入隊だけさせてくれ」


 飯を食い終え、特に何もすることがなく暇だった俺は、とりあえず外へ出てみることにした。


 そして今から活動を始めようとしていた『辺境サンゴ』の中にあるパーティーの一つである『暁』のみんなに声をかけてみたのである。


 普段のクランメンバーがどういうことをしているのか、俺は基本的に部下を経由して又聞きしているだけで、実際に確認をしたことはほとんどない。


 折角暇なんだから、今回はミリィたちと同行させてもらうことにした。


 彼女たちからすれば、商会の社長がいきなり一日自分たちの店に居座るような感覚だろうから、あまりいい気はされないだろうけど……まあこれも経験だと思って耐えてくれ。


 世の中には理不尽というものが多い。

 そして今この瞬間は、俺こそが理不尽の権化なのだ。





 『暁』のメンバーはミリィ、カオル、ヨハンナ、セーヴェの四人だ。


 四人とも女性で、男の影はまったくない。

 どうやら男は男同士で、女は女同士で組んでるみたいだな。

 俺が知らないだけで、実は男女比のおかしなハーレムパーティーとかも存在するんだろうか。


「――まあ、普段は基本的には魔物討伐をして周囲の治安維持をしていますかね。ガードナーに来てからそれほど経ってないので、今はまだ探り探りですが」

「ふむふむ。基本的に街の移動は元の百人隊規模でやってたんだよな?」

「そうですね。上から命令があったら昔と同じ感じで動いて、今みたく特に何もないときは割と好きな人たちと好きなように組んでます」


 『暁』のリーダーをやっているミリィは、懐かしきオーガ狩りをしている他のメンバーたちを見ながら、俺に説明をしてくれている。

 当たり前だが、オーガごときに苦戦している者はいない。


 どちらかといえば索敵に時間が持っていかれているようだ。

 どうやら『索敵球』は持ち出しが許されなかったらしい。


 前線で必要なので、なくなくあちらに置いてきたようだ。

 そのためざっくりとした気力感知で場所を探してはサーチ&デストロイを繰り返している。

「稼ぎの心配はないか?」

「はい、福利厚生とかもしっかりしていますし、お給金にも問題はありません。小銭稼ぎというわけではないですが、こうやって狩りをすることも許されてますし」


 クランメンバーとは、やった任務内容に応じて金銭を支払うという契約を結んでいる。

 今まではソルド殿下とアルスノヴァ侯爵から防衛任務を受け、その契約金の一部を分配して渡していた。


 一応常時の契約ということにはなっており、教導用の人間もある程度は向こうに置いてきている。


 なので契約金自体はしばらくの間は渡せるとは思うんだが……今後のことを考えると、新たな稼ぎ口も見つけないといけないな。


 冒険者全体からすれば、今みたいなきっちりした、貴族の下請けみたいな仕事の方が珍しいはずだ。

 ……もしかしたら、作戦ごとの班分けなんかのやりかたも変える必要があるかもしれない。


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