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vsウルスムス 14


「チッ……これはいったい、どういうことだ……?」


 ウルスムスが剣を吐き出し、マリアベルたちが再度下がる。

 『七師』の魔法を食らったマリアベルは……しかし明らかな外傷を負うことなく、動きに異変もない。


 さすがに自分の魔法の威力に自信を持っているウルスムスも、異変に気付いたようだ。


 俺がウルスムスの攻撃を受け止めて無傷だった一回目。

 ウルスムスが放った大規模殲滅魔法を食らってもダメージを受けなかった二回目。

 そして今の、至近距離からの上級の火魔法を食らっても、ピンピンしているマリアベル。


 三度も目の前で見せつけられれば、何か種や仕掛けがあると気付くのも当然だ。

 もちろんこの奇術の種明かしはしない。

 あいつが検証してくれているうちに、可能な限り削らせてもらう。


「行くぞ」


 俺の言葉に従い、エンヴィーたちが前に出る。

 ウルスムスを包囲するような形で俺・エンヴィー・マリアベル・エルルが前に出て、ライライは少し後方で待機。

 隙あらばデカい一撃を放とうと待機の姿勢を維持している。


 俺の剣がウルスムスの足を再度切り裂く。

 既にエルルが傷をつけた箇所は、回復魔法で修復済みだった。

 相変わらずこいつの魔法は底なしで、淀みがない。


「ファイアアロー、ファイアアロー、ファイアアロー」


 ウルスムスは炎の槍で牽制し、二人以上を近付けないように意識しながら思考を深めている。


 俺は思考によってできた隙を逃さず、その全身に傷を刻んでいく。

 みんなの方も、被弾を気にせず前に出た。

 そしてファイアアローを受け止め、そのままウルスムスへ攻撃を重ねていく。


 強化魔法と気力強化による身体能力向上の幅は、既にウルスムスと俺でほぼ同等のレベルになっている。

 十全に近いエンヴィーたちは、恐らく今のウルスムスより身体能力自体は高いはずだ。


 しかし――それでも詰め切れない。

 無尽蔵とでも言える魔力による、途切れることのない回復。


 準備も溜めもなく発動する魔法のせいで、ウルスムスがどれだけダメージを負っても、まるで効いている気がしなくなってくる。

 その分だけダメージは与えているのが、あと一歩のところで何かが足りない。


 それならばと、手数ではなく急所を狙うようにみなで標的とする箇所を変える。

 頭部、首筋、脊髄。

 強烈な一撃をもらえば即座に戦闘不能となるような箇所を重点的に攻めようとすると、ウルスムスの抵抗は激しくなった。


 マジックインパルスを始めとする、ダメージではなくショックを与える魔法で露骨な足止めを行うようになった。

 全方位に対する攻撃だから、消費は相当に激しくなるはずだが……少しマズいな。


「……ほう、俺の火魔法は防げても、物理的な衝撃波は防げないのか」


 それを理解してからは、ウルスムスは即座に作戦を変更。

 火魔法を使うのを止め、他属性の魔法を放ち有効性の確認を始めた。


「ダメージは通らない……しかし衝撃だけが通る。内側にダメージが通らないような仕組みのあるマジックウェポンか。なるほど、小賢しい真似をする」


 そしてとうとう、俺たちがウルスムスの魔法を割と平気な顔をして受けていた理由が看破される。

 そう、俺とシュウで共同開発を行った――鎧型『収納袋』の正体を。

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